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【インタビュー】レスリー・キー(Leslie Kee)氏

シンガポール出身のフォトグラファーであるレスリー・キー氏に、マンゴスティン倶楽部がスペシャルインタビュー。デビュー20周年の振り返りから、シンガポールの好きなところまで、誌面未公開ネタを特別公開!

(編集部)
レスリーさんお久しぶりです。約1年ぶりですね!今日はインタビューのお時間を頂きありがとうございます。早速なのですが幾つか質問させてください!
今年で活動20周年を迎えますが、最近のプロジェクトについて教えていただけますか?

(レスリー・キー)
そうですね、最近は安室奈美恵さんを表紙にした台湾版「VOGUE」の撮影を行いました。彼女は僕がデビューしたころから約20年間撮り続けていますが、今回の撮影では、引退前のラストということもあって、いつもの笑顔のショットではなく、クールな彼女を表現したくて。母として、永遠に輝くアーティストとしての彼女と、王冠をかぶって赤いバラを持ち、まるで宇宙船に乗って飛び立つ前のようなパワーウーマンとして彼女の2つを表現したんです。ラストのカットを撮るとき「あーこれでラストなんだ」と思ったら感慨深く泣きそうになりました。

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©LESLIE KEE

安室奈美恵さんを初めて台湾版「VOGUE」の表紙に起用したときは2000年で、彼女は出産後で確かまだ20代前半。とても表情がピュアだったのが印象的でした。

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2000年台湾版VOGUEの表紙がこちら)©LESLIE KEE

その他に僕が安室奈美恵さんとの撮影で一番思い出に残っているのは、2002年3月号の「ViVi」の表紙です。いわゆる赤文字系雑誌である「ViVi」の表紙に、「VOGUE」や「ELLE」などのモード誌を多く撮影していたファッションフォトグラファーの自分を起用してくれた当時の編集長の軍地彩弓さんは今思うと本当に画期的で、撮影もカバー写真としては初めての試みとして空を背景に撮影しました。安室奈美恵さんもその時の撮影やカバー写真をすごく気に入ってくれていて、その様子が現在発行されている「ViVi」8月号にも掲載されています。

 

その「Vivi」の撮影後、浜崎あゆみさんから声をかけてもらって撮影したのが「DAY BREAK」のジャケット写真です。それ以降も多くのシングルやアルバム、雑誌の表紙の撮影の機会に恵まれました。

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©LESLIE KEE

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©LESLIE KEE

 

(編集部)
最近ではシンガポールでの活動も増えてきましたよね。

(レスリー・キー)
活動20周年を迎えるにあたり、シンガポールに対してももっと何かやりたいと思うようになりました。ちょうど昨年、シンガポール政府観光局から「Passion Made Possible」という観光キャンペーンの話があり、さらにラーメン・テーという映画の撮影のスチールとして参加することになったんです。

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もうこれは運命だと思いましたよ。「Passion Made Possible」の一環として今年の2月には、僕が敬愛するヨウジヤマモトの2018年春夏コレクションの撮影をシンガポールで行いました。“Diversity”をテーマに、仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教の4つの異なる宗教を持つ4人のモデルを4つの宗教的シンボルであるお寺やモスクの前で撮影しました。

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©LESLIE KEE

さらに先月7月には、150人のシンガポールに住むLGBTの方々の撮影、そして「OUT IN SINGAPORE」という展示会を行いました。2001年から約8年住んだNYで、“Diversity”に関する理解がまだアジアでは少ないということを実感し、自分らしくアートとして表現することで、アジアの人々にとってのきっかけが作れればと思い、実現したイベントです。

(編集部)
今後20年の夢を教えていただけますか?

(レスリー・キー)
10月には100名のシンガポール人のセレブリティを撮影したアートブックを発売する予定です。また、北京でもヨウジヤマモトの写真展を行う予定。ファッションを通じて中国と日本の架け橋になりたいと思っています。
今後の夢は、美大の講師になること、世界中で写真集を出し続けること、またインスピレーションが合うアーティストのPV撮影も引き続き行っていきたいですし、あとはヒューマニティをテーマにした長編映画にも挑戦してみたいですね。
異国の地で活動するのは孤独がつきものですし、人生は良いことと悪いことの繰り返し。それでも自分が生きていると感じられるよう、とにかく精一杯現場を頑張ること。自分の時間を無駄にせず、ただ“Move on with courage”だと思います。

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©LESLIE KEE

(編集部)
では、最後にシンガポールの好きなところを20個教えてください!

(レスリー・キー)
まずは、空港に着いたらすぐ食べるカヤトーストにコピ。レッドヒルのワンタンミーやチョンバルのバクテー、ミーシャムやラクサも必ず食べるものの一つです。日本へのお土産はブンガワンソロのケーキと決めています。あとは撮影がいつも深夜に終わるので、ニュートンサーカスのサテやホッケンミーもよく食べるなあ(笑)。あとはラッキープラザのチキンライスにシュガーケンジュース(withレモン)!って全部食べものですね(笑)。好きな場所はリトルインディア。ロケ地としてもよく使っています。チャイナタウンも飲茶を楽しんだり、服を買うために家族を連れていきます。撮影で多く訪れるMBSの屋上プールやMBSの建物自体も、自分にとっては人と会うための大切な場所です。
また、一番好きな瞬間はシンガポールの早朝。シンガポールは経済発展が進み、こんな小国だけれども世界の大国に負けじと皆が奮闘しながら働いている。だからこそ、早朝におじいちゃんが鳥かごを外に出したり、おばあちゃんが散歩をしていたり、起きてすぐのナチュラルでノスタルジックな空気がその対比になって、なんか、いいんですよね。

(編集部)
たくさんお話いただきありがとうございました!
いかがでしたか?世界で活躍する彼のこれまでとこれからは、圧巻でしたね。また、お気入りローカルフードも意外と(?!)庶民的で親近感が湧くものがありますね。今後の彼の活躍も、引き続きマンゴ編集部は応援し続けます!

 

プロフィール:
LESLIE KEE/レスリーキー
シンガポール生まれの写真家。東京ビジュアルアーツ専門学校卒業後、1998年から日本で活動を始め、ファッション、アート、広告、CDジャケット、PV撮影を中心に、東京、パリ、ニューヨーク、アジア各国で活躍。世界中のモデルやセレブリティを撮り続け、多くの写真集の出版や展示会を開催。

IG: lesliekeesuper
FB: lesliekeesuper

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