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シンガポール健康相談 vol.58|Raffles Japanese Clinic

ラッフルズジャパニーズクリニックによるコラム。来星間もない家族の悩みに答えます。
今月は、総合内科です。

 

 

 

 

 


 

ある日、桃太郎さんは昼食を食べたあと急に顔面が熱くなり、じんましんが出現しました。なんだか呼吸がしづらいような気もします。桃太郎さんはラッフルズジャパニーズクリニックの総合内科を受診しました。診察の結果アレルギー症状と考えられたため、注射を行ったところ症状は改善しました。さて、何が原因だったのでしょうか?

堀部医師:今まで何かアレルギーを指摘されたことはありますか?

桃太郎さん:それが全然指摘されたことはないんです。お昼にはサバを食べましたが、サバで今までこういうことはなかったです。ただ、そういえばサバを食べたときに少し舌がピリッとした気がします。サバが悪かったんでしょうか?

堀部医師:サバですか…そうすると、いわゆるアレルギー反応ではなく、ヒスタミン食中毒の可能性がありますね。サバやマグロ、ブリなどの赤身の魚には「ヒスチジン」というアミノ酸が多く含まれているのですが、このヒスチジンがヒスタミン産生菌という細菌の酵素の働きで「ヒスタミン」に変わります。ヒスタミンはアレルギー反応に関係しているので、ヒスタミンを多量に摂取することでアレルギーのような症状をきたすのがヒスタミン食中毒です。

桃太郎さん:どうやったら防げますか?

堀部医師:ヒスタミンを過剰に摂取しないことです。ヒスタミン産生菌は常温の方が増えやすいので、魚は冷蔵保存したほうがよいですね。また、多量のヒスタミンを含む食品を口に入れたとき、唇や舌先がピリピリすることがあります。こういう時は食べないで処分してください。なお、ヒスタミンは熱に強いため、加熱してもヒスタミン食中毒は防げませんのでご注意ください。

桃太郎さん:わかりました。

その後、桃太郎さんの症状はすっかり良くなりました。また、その後は同様の症状は出現しませんでした。

 


今月の担当医

 

 

 

 

千葉大学医学部卒業、千葉大学医学部先端応用外科所属、千葉大学大学院医学薬学府修了、医学博士
千葉大学医学部附属病院食道胃腸外科助教、横浜労災病院外科、千葉メディカルセンター外科などを経て 2017 年 3 月より現職

日本外科学会専門医・日本消化器外科学会専門医・日本消化器内視鏡学会指導医・日本医師会認定産業医

日本では主に消化器疾患の診断・治療や救急医療に携わっておりました。特に消化器内視鏡を得意としております。これらの経験を生かし、シンガポールでは総合診療医として皆様のお役に立ちたいと考えております。


 

vol.52以前のコラムは、マンゴスティン俱楽部アーカイブを見てね!

 

 

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