インドの伝統菓子ミタイを食べてみたい!〜リトルインディア〜
久しぶりにリトルインディアに繰り出しました。
お目当ては、インド大好きな友人たちとインドの伝統菓子“ミタイ”(Mithai)を食べるため!
ミタイはインドのお祭りやお祝い事で食べられます。特にインドのお正月、ディワリには欠かせないお菓子です。それぞれに名前があって、使う材料によって様々な種類があります。
銀箔やカラフルな見た目をしたお菓子を目にしたことがあるという方もいらっしゃるかと思いますが、実際リトルインディアに行くと、あちこちでミタイを取り扱うお店があり、色んな種類のインド菓子に出会えます。
「ミタイを食べてみたい!」
そんなわけで、今回はリトルインディアの街で出会った魅惑のインドスイーツ、ミタイについてレポートします。
■ミタイの最大の特徴―甘〜い!
何せ、ミタイは“人生の甘い瞬間”をお祝いするめでたいお菓子。
赤ちゃんの誕生を記念したり、結婚式の招待状に添えたり、引き出物として出されたり、、、人生の様々な重要な瞬間に配られるものだそう。
また、ヒンズー教の祭りディワリ(Diwali)(ディパバリDeepavaliとも言う)はミタイなしでは完結しません。旧正月前のバクワ店と同じように、人気のインド菓子店の前には長い行列ができます。多くの家族連れがミタイやドライフルーツ、ナッツなどが入ったギフトボックスを交換しながらヒンズー教の光の祭りをお祝いします。
■砂糖発祥の地で何千年もかけて愛されてきた伝統菓子
日本に砂糖が伝わったのは、8世紀ごろ奈良時代と言われていますが、砂糖発祥の地と言われているインドでは、紀元前にすでに砂糖が発見されていて、インドにおけるお菓子作りは古代ヴェーダ文献にまで遡り、儀式や祝祭の際にミルクベースの菓子が使われていたことが記されているそう。
古代では、蜂蜜やジャガリー(jaggery)、果物などのシンプルな材料から作られていたものが、インド文明が発展するにつれて牛乳やその副産物であるギーなどの使用が一般的になっていったようです。
ミタイの多くは、全乳を煮詰めて絶えずかき混ぜ、甘いドロドロになるまで何時間もかけて作る工程から始まります。このベースに、ミタイの種類に応じて、コヤ(khoya)、ナッツ、ひよこ豆の粉、米粉などの材料にローズウォーター、カルダモン、サフランなどの香料が加えられるんだとか。
時が経つにつれ、お菓子作りの技術は進化し、異なる地域や文化の様々な材料や技術が取り入れられるようになったミタイ、現在のシンガポールでは一体どんなものが味わえるのか?インド好きの友人がインド人御用達のおすすめ店を案内してくれました。
それぞれの店で個人的に気になったミタイをレポートします。
①種類が豊富!〜A2B VEG.RESTAURANT〜
最初に訪れたこちらの店。A2B VEG.RESTAURANT
様々な種類のミタイが手に入ります。
あまりに種類がありすぎて、何にしようか迷っていたところ、ミタイを購入に訪れたインド人女性が話しかけてきてくれました。すかさず、私も、「ミタイを買うのは初めてなの。ここのお店であなたは何が一番好き?」と聞いたら、「これはマストバイよ」と言って教えてくれたのが、こちら。
KAJU PISTA ROLL
カシューナッツが使用された柔らかい生地。口の中に入れると、ピスタチオの香りが広がります。甘さ控えめなところもGOOD!インドのお客さんがマストバイと言うのも納得の味です。
Modak
こちらは、ヒンドゥー教の神様ガネーシャの大好物と言われている
モーダカ(modak)。
ココナッツやジャガリー、米粉などが一般的に使われているんだそう。
肉まんを食べる時のような柔らかい口当たり。噛むほどにシャクシャクとしたココナッツの食感とジューシーさが口に広がります。思ったより甘さ控えめで、これは日本人の口に合う!
Soan Papdi
さあ、ここでクイズです。こちらはインドで一般的にはSoan Papdiと呼ばれているものですが、
皆さんは、パッと見、何に見えましたか?
おがくず・・それとも、さきいか?・・・
お店で最も味の想像がつかないものだったので、ギャップに惹かれてぜひ試してみたいとgetしました。
正解はーCotton Candy 綿菓子です。
店員さんによると、これもインドの伝統的な昔からあるお菓子で、インドの子供たちは大好きなんだそう。
アーモンドやピスタチオなどの刻まれたナッツ類が入っていて、食べてみたら想像以上に美味しい!これは個人的に大ヒット!やはり食べてみないと分からないですね。ホットミルクにも合うような優しい味で、世界中の子どもたちに好まれそう!
一般的にひよこ豆粉やギー、砂糖にドライフルーツやナッツを加えて作られているようです。
皆さんにもぜひ試してみていただきたいミタイです。
他に伝統的なものを押さえておきたい方は、カシューナッツから作られたKAJU KATHILY、
もっとミルク感を味わいたい方はMILK BURFIなどもおすすめです。
特にMILK BURFIはミルクキャンディーのような味わいで、ずっと口の中に入れておきたくなるような優しくて美味しい味。また出会ったらリピ買いしたい一品です。
②まるで京菓子のような美しさ!ギフトにも最適〜Apolo’s food village〜
さて、続いてのお店はApolo’s food village。
一つ一つのミタイがまるで日本の京菓子のように美しく、写真映えします。可愛いデザインのギフトボックスも用意されているので、ミタイをギフトとして贈りたい方にも最適なお店です。
ちょうどお店が空いている時間帯で、
運良く、Kumaresanシェフが直接接客してくれました。
JANGIRI
ミタイを扱うお店で必ずといってもいいほどよく見かけるJANGIRI。
お店によっては一個の大きさが大きいので、初めて買う時には躊躇してしまうかもしれませんが、こちらのお店では小さいサイズのものから取り扱っていているのもミタイビギナーには嬉しいポイント。
特に、弧を描いてぐるぐる巻きのユニークな形が特徴的なJANGIRIは作り方が想像してたのとまったく違って面白かった!
Kumaresanシェフによると、ダール豆を砕いて浸して絞って、最後にサンフラワーオイルで揚げるんだそう。
カリ、ジュワーっという感じで甘い汁が口の中に広がります。
食べる時、汁が垂れやすいのでご注意を!
KAJU APPLE
見た目に惹かれて購入したのがKAJU APPLE。
口に含むと、アーモンドの香り。ナッツが刻まれていてザクザクとした食感も楽しめます。マサラチャイを飲むときに感じるスパイスの香りもほんのりして、インドらしい雰囲気が味わえる一品です。
KAJU FLOWER
こちらはカシューナッツの生地がベースとなっていますが、しばらくすると、口の中にローズの香りがほんのり広がる独特な味わい。ローズウォーターが使用されているそうです。
③在星インド人から評判のミタイショップ〜Moghul Sweet Shop〜
そして、最後に訪れたのは、
シンガポール在住インド人からも人気があるミタイショップMoghul Sweet Shop。
主に北インド地方のインド菓子を取り扱っているそうです。
GULAB JAMUN
この店でぜひ買いたいと思っていたのが、
“世界一甘いお菓子””世界一甘い食べ物”と称されているGULAB JAMUN。
グラブジャムンは、インドに古くから伝わる定番デザートで日本でも注目を集めています。
「頭が痛くなるほど甘い」「脳天に響く甘さ」などと言われているグラブジャムン、
店頭で購入する時は、シロップ漬けにするか、ドライのままでいただくかどちらか選べます。
せっかくなら、世界一甘い食べ方で食べてみようじゃないか!
ということで、シロップ漬けでいただきました。
一口目は衝撃的な甘さを感じませんでしたが、じゅわっと染み出すシロップ。確かに甘い!噛むほどに甘味を感じます!カステラをシロップ漬けにしような食感と優しい味わいで、思ったよりも柔らかかったです。1個の大きさはピンポン玉大くらいの大きさですが、食べ応えがあります。仲間同士でグラブジャムンを囲んでどれだけ甘さに耐性があるか試してみるのも楽しそうです。
DRIED KALA JAMUN
ちなみに、こちらの店には見た目がそっくりで色が濃いDRIED KALA JAMUNというのもあります。
お店のご主人Dinさんに尋ねたところ、
材料は同じで、油で揚げる時間がより長いのだそうです。
食べて比較してみましたが、KALA JAMUNの方が食感はハードで、どちらかというと、濃い色の方はサーターアンダーギーをシロップに漬けたような食感と味わいでした。
初めて訪れても、分からないことはDinさんに尋ねたら、親切丁寧に教えてくれます。
ちなみにDinさんのお店の反対側にもミタイを取り扱うお店もあり、Dinさん曰く、そちらは南インド地方の菓子を中心に置いているそうです。
北のお菓子はミルクを使ったものが多く、南のお菓子はより砂糖が使われていると話していました。南北のお菓子を食べ比べてみるのも楽しそうです。
インドと一口にいってもエリアによって食べ物も少しずつ違うので、このように南北様々なミタイが味わえるのもシンガポールならではかもしれませんね!
インドには「縁起の良い仕事を始める前に何か甘いものを食べなさい」という有名な格言があるそうです。
インドの人たちにとって縁起が良く、人生のあらゆる甘〜い瞬間をお祝いしてくれる魅惑のスイーツ、ミタイ。シンガポールで皆さんも一緒にトライしてみませんか?