路線バスでシンガポール一周の旅(後編)
路線バスで息子とシンガポールをぐるっと一回りの旅。後編は、特に印象に残った路線でのバス旅体験レポートをお届けします。
子連れバス旅で最も楽しかったルートはー
117 セレター空港の航空機、ジブリ映画のような光景が楽しめる。立ち寄り場所にも◎
かつて空軍の拠点だったSeleter地区。セレター空港は、元々イギリス植民地時代の1929年に軍用飛行場として完成したシンガポールで最も古い空港です。
プライベートジェットやチャーター機、医療搬送用航空機の発着、パイロット訓練などで利用されてきて、現在は、プロペラ機の定期便も就航しています。バスの車窓から、駐機しているプロペラ機などを目にする事ができます。
近くにはオシャレなレストランもあり、食事休憩するのにもぴったりなエリアです。
この日は、117を途中下車して、The SUMMERHOUSEへ。ここは1929年に建てられたコロニアル建築で、イギリス空軍の高官が住んでいた邸宅がリノベーションされてできたレストラン。カフェやバーの利用もできます。
そのすぐ近くにあるレストラン Wheeler’s Estateも雰囲気◎!!シンガポールで他のエリアに例えるならば、これらのレストラン周辺はどこかデンプシーに似た雰囲気。
レストラン前には気持ちの良い芝生が広がり、すぐ目の前に飛行機の形を施した遊具のプレイグラウンドもあります。飛行機好きの子どもたちにはたまリません。
腹ごしらえした後は、再び乗車。
しばらく乗ると、イーシュンダムが見えてきます。
このイーシュンダムを通る路線が、ジブリ「千と千尋の神隠し」で千尋が「カオナシ」と一緒に電車に乗るシーンと似ているとネットユーザーが指摘し、インターネット上で話題になりました。
実際、バスで通過してみました。いかがでしょう。ジブリ映画の光景のよう!?
2階席に座ってダムを通ると・・・、たしかに水の上にいるような気分が味わえます。
また、このルートは、船の形をしていることで知られるM R Tキャンベラ駅前も通ります。
お子さんと車窓に映るものを会話しながら楽しめるので、普段セレター地区に行く機会のない方には、ぜひともおすすめしたいルートです。
35 関係者以外下車できないバス停?!徒歩で移動できない立ち入り禁止区域も・・・
チャンギ空港を表から見ることはあるけれど、その裏はどうなってるんだろう。そして、シンガポールの最東端ではどんな景色が見えるんだろう。そこで、最東端35番のバスをプランに入れました。35番は日曜日運行していなかったため、バス旅1日目の土曜日に組み込むことに。(ルート詳細は前編をご覧ください)
当初、35番で最東端からの景色を眺めた後、チャンギヴィレッジに進む予定でした。そのため、地図上最も近いOpp DB Schenker(95191)で下車して徒歩8分のBef Cargo BldgD(95149)まで向かい、そこからチャンギヴィレッジ周りでPunggolに向かう計画を立てていました。
しかし、Opp DB Schenkerで降りようとしたところ、運転士さんに「どこに行きたいの?この先は歩いて進めないよ?」と言われ、びっくりドッキリ。このエリアは関係者しか立ち入りできないとのこと。自分たちの行き先を告げたところ、Tanah Merah駅まで一旦戻ることを勧められました。結局そのままバスに乗車し、折り返すことに。実質、一般の人は降りられない(降りても周辺の立ち入りができない)バス停があるのですね!35番に乗る際は、長時間バスに乗る事になるので、乗車前にしっかりトイレや水分補給をしておくことをお勧めします。
35番・・・乗って気づいたこと
片道3〜4車線の気持ちの良い広い道路が走っていて、自転車専用レーンがあります。この日は小雨でしたが、自転車走行する人の姿もみられました。
Bedokから出発すると、左手に空港、右手に海という位置関係になりますが、空港の裏からは飛行機の姿はあまり期待できません。終盤にチラリと見えた程度です。それよりも、今も開発が進む空港敷地内の工事の様子が印象的でした。道路沿いには木が生い茂っているため、海も木々の間からたまに見える程度です。折り返し地点に近づく時が、最も海が見えるタイミングかも知れません。このエリアを通るなら、早朝の朝日の見える時間帯が、特に気持ちよさそうです。
シンガポール一周バス旅を終えて・・・
バスでシンガポールを一周してみて、改めてこの国は「グリーン・シティ」であると感じました。どの地域を通っても、そこには緑があり、美しく整備されています。独立後、シンガポールをガーデンシティにするために国が真剣に取り組んできた緑化政策のもとで、このように清潔で緑豊かな街が保たれ、海外からの観光客や投資を呼び込み続けているんですね。
そして、やっぱりH D Bが多い!
また、シンガポールの外側をメインに回ったことで、改めて、マレーシアがすぐ身近にあるということを感じさせてくれた旅でもありました。
シンガポールは様々な人種、言語、宗教、文化を持つ国ですが、バスの旅で今まで訪れたことのない地域を訪れ、改めて色んな表情を持つシンガポールに出会えたことは貴重な体験でした。
どうしても、普段移動の際は、時間を予測しやすいM R Tを使う機会の方が多いのですが、地下を通る事が多いM R Tと異なり、街並みを楽しめるところもバスの魅力です。
バス旅を通して、これまで行ったことがなかった地域やその特徴を知れたので、M R Tなど他の交通機関を使って乗り継ぐ際も位置関係が分かるようになり、生活にも役立っています。
シンガポールのことをもっと知りたい!そんな方にバス旅はもってこいです。
役に立ったバス関連サービス
・Bus Router SG(https://busrouter.sg/)
使いたいバスサービスや停留所名、番号を入れるとルートが出てきます。こちらで全体の路線図を見ながらバス旅を計画しました。
・Citymapper(https://citymapper.com/singapore)
普段からシンガポールで公共交通機関利用の際使用している方が多いと思いますが、上記で紹介したBus Router SGで検索した停留所番号を出発地と目的地に入力すると、乗り換えの際、最寄りの停留所までの行き方、バス番号、時間などが出てくるのでバス旅でも便利です。
・S G Bus Arraival(https://sgbus.app/)もしくはSG Buses
現在いる停留所に利用したいバスがあとどのくらいで到着するか、そもそも利用したいバスが当日運行しているかなど確認できるので、バス旅当日に役立ちました。
シンガポール一周バス旅の際のポイント
最後に、、、長旅になりますので、途中、立ち寄るインタージャンクションやM R Tの駅などでトイレを済ませることや、途中下車した時に飲食できるよう飲食物の調達をすることなどをおすすめします。
また、乗り換えの際、特に同じバス番号で似たような名前の停留所が両車線にある場合、どちらから乗り換えるのか、停留所番号をしっかりとチェックして乗るようにしてください。
Kranji駅から170番に乗り換えの際、バスの入り口で運転士に確認したら、「ジョホール(マレーシア)まで行く」と言われ、慌てて下車し、反対車線側にあるバス停から乗りました。同じ番号のバスに乗ったつもりでも逆方向に進んで国を越えていくこともあるので、注意が必要です。
実際、乗りたい番号のバスがその日は稼働していないこともあります。その場合の代替案などもあらかじめ考えておくと、当日スムーズに続けることができて安心です。
乗り換えの際、最寄りのバス停まで歩いたり、付近を散策する機会も多いかと思うので、シンガポールの変わりやすい天気に備えて、晴雨兼用の折りたたみ傘や帽子、虫よけなどもご準備を!
「路線バスでシンガポール一周の旅」、前編後編ともに読んでいただき、ありがとうございました。(前編はコチラ)気になるバスルートはありましたか?シンガポールで皆さんのバス旅がさらに楽しく、充実したものになりますように♪
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