先日、詐欺に遭いました。
シンガポールに住んでいる方ならきっと多くの方が利用したことがある
オンラインショッピング「Lazada(ラザダ)」を名乗る詐欺です。
シンガポールではLazadaやShopeeなどのオンラインショッピングがメジャーで頻繁に利用している方も多くいらっしゃると思います。
今回、幸いにも対処が早かったため実際の被害はありませんでしたが、彼らの手口は巧妙で心理的な操り方がとてもうまく彼らの思惑通りに動かされてしまいました。
後日、周りにこの出来事を話すと、意外にもシンガポール国内で詐欺にあった方や家族や友人が被害を受けたという方が少なくないことがわかり、自分の身に起きたことをブログに残したいと思いました。
今回私が体験したことをブログに書くことで、一人でも詐欺の被害に遭う人を減らしたい!そんな思いでお伝えします。
ブログ前編では私が実際に体験した詐欺の全容について、後編では実際に被害に遭った時にはまず何をすれば良いのか、Lazada詐欺の他に最近シンガポール国内で被害が発生している詐欺事例、シンガポール国内で生活する上で気をつけたいことなどについて書きたいと思います。
ぜひ、多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。
①LAZADAのスタッフを装う男からの電話
それは突然の出来事でした。
いつもなら知らない番号からの電話にはほとんど出ないけれど、その時は外出する用事があり、出かける直前で慌ただしく着信画面をよく見らずに勢いで受けてしまったのです。
+65から始まる番号からの着信でした。
これが詐欺集団からの電話だとはその時はまったく気づきませんでした・・・。
電話口からは男性の声。
「こちらはラザダシンガポールです。あなたは昨夜8000ドルラザダで買い物しましたか?」
と英語で尋ねてきました。
特に最近ラザダで買い物した記憶はないので、
「昨夜は買い物していない」
と答えました。
すると、男は「昨夜あなたのアカウントからラザダで17アイテム8000ドル購入されている」と伝えてきたのです。
「キャンセルしたいですか?」と聞かれたので
「私は買い物していない。もちろんキャンセルしたい」と話すと、
「安心してください。こちらでキャンセルします」と男は答えました。
「どうしてあなたは私が買い物していないと思ったんですか?」と尋ねると、
「購入されたのが香港からだから」と答えました。
「わかった。とにかくキャンセルして欲しい。私はどうしたらいい?」
ここから巧妙な詐欺集団の手口が見えてきました。
②詐欺集団の巧妙な手口とはー
「今、あなたにショートメールを送りました。」
「ワンタイムパスワードが届いたと思うので、そのパスワードを教えてください」とのこと。
確かにショートメールがラザダから届きました。これはよくラザダで注文完了するときに届く類のショートメールでした。
しかし、ここで疑問が沸きました。
メールには「ワンタイムパスワードは他の人に明らかにしてはいけない」と明記してあるのです。
「なぜ、あなたにパスワードを伝えないといけないの?メッセージには”決してシェアしてはいけない”と書いてある」と伝えました。
しかし、男性は続けました。
「これを教えてもらえないとキャンセルができない。今すぐ教えてもらえないと8000ドルキャンセルできない」と。
わたしが渋っていると、電話口の男性の声が別の人に変わりました。
新たな声の男はシングリッシュとは異なる癖のある英語で聞き取りづらく、いまいち詳しく理解できなかったので、夫に電話を代わり対応してもらうことにしました。
夫に代わると、今度は男が私たちを信用させるために
「これからあなたのE-mailにラザダで注文された内容が届く。」と言って、
実際に私は注文していないけれど私のアカウントから注文された商品に関するEメールがラザダから届きました。メールは自分で注文した時と同じようにラザダに登録されたメールアドレスに届きました。
さらにその後しばらくすると、今度はラザダからその商品のキャンセルに関する内容のメールが新たに届きました。
「このように我々はその場でキャンセルできるのだ。」と言って私たちを信用させるための行動を取り始めたのです。
電話の主はラザダに登録された私のe-mailアドレスを知っていました。登録された住所も、さらにはラザダに登録されたクレジットカードのナンバーも知っていました。
その情報を私たちに知らせることで、まるで本当のラザダのスタッフであるかのように装った上でクレジットカードのセキュリティコードを尋ねてきました。
「今すぐこれを教えてもらえないと全てのキャンセルができないのだ」と言って急かすように・・・。
「ここまでのプライバシー情報を知っているなら、これは本当にラザダかもしれない。」その時はそう思ってしまいました。疑わしい気持ちが残りつつも・・・
当時夫も仕事中で対応にかけられる時間がなく、私自身もすぐに出かけなければならない用事があって心に余裕がなく、焦る気持ちの中クレジットのセキュリティコードを教えてしまったのです。
③詐欺集団に個人情報を伝えてしまった!その後ー
しかし、セキュリティコードを教えた後も一向に商品をキャンセルする気配がない。さらにスマホに届いたワンタイムパスワードを教えろと言ってくるのです。
ワンタイムパスワードの書かれたショートメールを連投してきて
「早く教えないと、8000ドル分が請求される」と脅してくるのです。
怪しいと思いながらも試しに一度教えると、商品取り消しは行われずにさらにショートメールでラザダから今送信したワンタイムパスワードを教えろと言ってきました。
さらにはもう一つラザダのアカウントで登録していたクレジットのセキュリティコードを教えろという催促が来たのです。
これは流石におかしいと気づき、
「今時間がないから電話をかけ直したいので電話番号を教えて」と言うと、電話番号を伝えることや電話を切ろうとすることを渋り、
「今すぐ対応しなければキャンセルできないのだ」と急かして脅してくるのです。
何度もしつこく電話番号を教えるべきだと言うと、電話番号を伝えてきました。
④着信を受けた電話にかける、その電話の主はー
私がそのまま適当に電話を対応しながら、教えてもらった電話番号とは別のいままさに電話を受信している番号に夫から電話をかけてもらいました。
♪ (呼び出し音が鳴る・・・)・・・ すると、電話口に出たのはさっきまで私たちと喋っていて途中で変わったもう一人の男の声。男は第一声「ラザダ」とは一切名乗らず、英語ではなく全く聞いたことのない異なる言語で電話に出たのです。
この瞬間、完全に私たちは騙されたことが確信に変わり青ざめました。
「これは緊急事態だ!」
さて、この後私たち夫婦がどのような行動をとったか。
続きは後編でお伝えします。