シンガポール駐在員の配偶者が働く方法|ビザ・条件・仕事の探し方

夫の赴任に伴い始まったシンガポール生活も、そろそろ落ち着いてきた頃。せっかくなら新しいことに挑戦したい、できれば働きたい。でも、今のビザで仕事はできるの?実は、シンガポールで駐在員の配偶者が働くには、就労ビザの取得が必要です。本記事では、シンガポールのビザ制度や駐在妻が働くための条件、仕事の探し方について私が調べたことを詳しくお伝えします。

Vol.1 シンガポール駐在妻が働きたい理由とは?

こんにちは、Ayaといいます。夫のシンガポール駐在のため、家族で1年前に引っ越してきました。シンガポールは暮らしやすいと聞いていましたが、やはり異文化の中での生活は想像していなかった事がたくさんあり、1年経った最近、ようやくこちらでの生活にも慣れてきました。

子どもは3歳で、日系幼稚園に入れることにしたので4月から年少さんになりました。夫が会社に、子どもが幼稚園に…となると、今まで24時間子どもから目を離せなかった生活リズムから少しずつ、自分の時間ができそうです。

そうなると、昼間の時間をどう過ごそう?という気持ちが出てきました。

習い事をしている人はたくさんいて、日本人の駐妻向けの教室もあります。趣味を極めるのも良いけど、これからのことを考えた時、私も働いておいた方が良いのでは?と思い始めました。

今は子どもがまだ小さいですが、小学校に入ればもっと昼間の時間が空くはず。これからの教育費、物価の上昇にも備えておきたい。日本のニュースをよく耳にしますが、シンガポールでも生活費はどんどん上がっています。
更には、もし日本に本帰国することになったら、その時は子どももある程度大きいだろうし、本格的な社会復帰をしたい。

そんなことを考えたとき、今からでも、また、少しでも、働く方法はないだろうか?と思いました。

シンガポールで働くには?必要なビザと条件

 

シンガポールで私が働くためには、日本と同じように求人サイトで気になるところに応募して…というわけにはいかないことはもちろん知っています。では、具体的にはどんな就労許可が必要なのでしょうか?シンガポールで外国人が働くためのビザについて、調べてみました。

Employment Pass(EP:エンプロイメントパス)

・主にエグゼクティブ、シニア・マネジャーレベルや専門職に従事する人向け
・四年制大学以上卒
・最低給与は$5600(私がシンガポールに来た時はもっと低かったのですが、2025年1月に上がりました)。
・COMPASSというポイントシステムで40ポイント以上獲得

この$5600は新卒での最低給与なので、年齢が上がれば最低ラインはもっと上昇します。

このビザは給料、ポジション、スキルなどそもそも私向けではなさそうです。

COMPASSとは

EP申請に必要なCOMPASSとは?ここ2年ほどで導入されたばかりだそうですが、なかなか厳しそう。

個人基準として、C1:給与、C2:学歴と、企業属性となるC3:国籍多様性、C4:ローカル雇用の促進
ボーナス基準として、C5:スキルボーナス、C6:戦略的経済優先ボーナス
という項目があり、各項目で最高20ポイント(戦略的経済優先ボーナスは最高10ポイント)を獲得。
合計40ポイント以上獲得でEPが取得できます。
(条件によって緩和あり)

・月額固定給が2万2500SGD以上
・海外企業内転勤(Overseas intra-corporate transferee)としての申請
・数週間、一ヶ月など短期での勤務
の場合にはCOMPASSは不要とのこと。

EPの最低給与は年々上がっていて、取得が難しくなっているそうです。

S Pass(Sパス:エスパス)

主にマネジメント職や技術職以外に従事する人向け。
専門学校・短大卒以上
最低給与:$3150
今年から最低給与はまた引き上げられるそうです。

EP、S Pass両方とも、この最低給与や学歴のほかに、企業の従業員の国籍やビザの構成比率など色々な条件がありました。
また、過去の実績や給与の額によっては学歴の条件を満たさなくてもビザが発行される場合があるようです。

S passはEPより取りやすいと言われますが、それでもまだ、私にはハードルが高そうです。
そもそもフルタイムの正社員でないと対象にはならないでしょうから、「ゆる~く働きたい」という感じではダメそうです。

調べてみてわかったことですが、シンガポールでいわゆるサラリーマン・OLとして働くためにはこれだけの条件を満たす必要があるということですね。
DPからEP、S Passへの切り替えも働く方法の一つではあるようですが、条件をきちんと見てみると軽い気持ちではできなさそうです。

その他の就労可能なビザ(PEP、Tech.Passなど)

EPとS Passの時点ですでにハードルが高そうですが、調べたところ他にもいくつか、就労可能なビザがありました。ただ、条件が更に難しそうだったり、そもそも当てはまらないものなど、なかなかシンガポールの労働ビザ事情は厳しそうです。

Personalised Employment Pass (PEP)

EPよりも更に高給が必要なビザ。
・専門職の外国人や高所得者、高所得のEP保持者など
・EP保持者で月給$12,000以上
海外在住で月給$22,500以上 のいずれかの給与水準を満たすこと
など

月給$12,000となると、百万円を軽く超えます。相当な経歴、スキル、将来性… エリートの方だけが取得できるビザですね。

Tech.Pass

成長企業や大手企業の創業者。専門性の高い技術者など対象。
・直近1年以内の月給が$22,500以上
・時価総額または評価資本価格が5億USドル以上、または、資金調達が3,000万USドル以上のテクノロジー企業で5年以上マネジメント経験がある
・テクノロジー製品の開発現場で5年以上のマネジメント経験
以上から2つ以上当てはまること

Entre Pass

シンガポールで起業しようとする外国人
・SG政府認定ベンチャーキャピタル等から資金調達($100,000以上)
・世界IP協会に登録された知的資産を保有
・大企業の上級管理職または役員としての相当数の経験(最低8年間)があり、SGで多額の投資をする予定
など

Training Employment Pass (TEP)

これは学生向けのようですが…

海外の学生や研修生
・月額固定給が$3,150以上
・認定校の学生

Work Holiday Pass (under Work Holiday Programme)

こちらはいわゆる「ワーホリ」です。

18歳~25歳の外国の学生や卒業生
日本、香港、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スイスの認定された大学の学生・卒業生

専門性や、学生向け(シンガポールのワーホリは、難関校といわれる大学を対象だそうです)でも上位校のみが対象など、どれも私の希望する「アルバイトでオフィスワーク」「気軽にできる接客業」には当てはまらなさそう…
想像以上にハードルは高いようです。

シンガポール駐在妻はDPで働ける?可能なビザと方法

いわゆる「正社員」として企業に雇用されるためのビザは、なかなか条件が厳しそうです。私は現在、就労ビザで働く駐在員の帯同家族に発行されるビザ「DP(Dependent Pass)」を持っています。DPは就労ビザではないので今のままでは働けませんが、いくつか条件を満たせばそれが可能になることがわかりました。

LOC(Letter Of Consent)(現在新規発行・更新は原則廃止)

2021年以前は、企業にLOC(Letter Of Consent)を申請してもらうことで、DP保持者はパート勤務ができていたそうですね。

ですが、調べてみたところ、2021年5月以降のLOCの新規申請および更新は原則廃止されています。

ただ、現在でも一定の基準のもとでLOCの発行は続いているそうです。
・Sole proprietorship (個人事業)のオーナー
・Partnership (パートナーシップ)のパートナー
・Company Director (株式会社)の30%以上の株主
としてACRAに登録のあるビジネスオーナーにはLOCの申請が可能ですが、現在こちらの方法でLOCを取得している人はめったにいないのではないでしょうか。

シンガポールで個人事業主となると、またかなり限られてくるのでは…

WP(Work Permit)

2021年5月のLOCの新規発行・更新停止のあとは、こちらが主流になりつつあるようです。

WP枠をもっている企業に採用され、ビザ申請が通ればDPと並行してWPを持つことができるそうです!

WPというと、ヘルパーさんや建設業など肉体労働をするためのビザで、限られた国のみ対象というイメージがありましたが、ビザの規定の改正に伴って申請できる国が増えたそうです。

5つのセクター(建設業、製造業、海洋造船業、プロセス、サービス)についてWPが開放されていて、事務系、オフィス系の仕事はこの中の「サービス」に含まれます。

これなら私も働けそう!?私を雇ってくれる会社があって、夫の会社の規定にも問題がない場合ですが…

ビザに関するルールは急な変更がしばしばあります。必ず管轄省庁のHPなどで最新情報をチェックすることをおすすめします。

シンガポールの最新のビザ条件はシンガポール労働省(MOM)の公式サイトで確認できます。

まとめ

シンガポールで駐在妻が働くには、就労ビザの取得が必要です。現在、DP(Dependent Pass)保持者が働くには、WP(Work Permit)を取得する方法が一般的とされているようです。ですが、シンガポールのビザ要件は頻繁に変更されるため、最新の情報はシンガポール労働省(MOM)の公式サイトや専門家に確認することをおすすめします。

 


このブログを書いた人:Aya

30歳、シンガポール在住歴1年。夫の駐在でシンガポールに引っ越してきました。今はニュートン住まいで子どもは3歳、4月から日系幼稚園に入りました。インターにも通わせてみたいと思っていて、小学校からの進路は悩みどころ。4月から昼間の時間が少し空くため、自分の時間の使い方を検討中です。

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