シンガポールでインターナショナルスクールを考え始めたとき、最初にぶつかる“壁”のひとつが カリキュラム ではないでしょうか。IB? ケンブリッジ? 名前は聞いたことがあっても、日本の学校には馴染みがないので、実際どんな学びなのか想像しにくいですよね。
特に「小学校からインターに行かせたい」と考えるご家庭にとって、カリキュラムは大事な選択ポイント。子どもの学び方や将来の方向を左右するため、できれば早いうちから知っておきたい部分です。
今回は、シンガポールのインター校でよく採用されている 国際バカロレア(IB) と ケンブリッジ国際教育 の2つについて、実際に子どもを通わせている親の視点で、わかりやすくまとめてみます。
シンガポールのインターナショナルスクールカリキュラム比較!
国際バカロレアとケンブリッジ
インターナショナルスクールを選ぶとき、正直なところ最初は「グローバルに認められているカリキュラムなら良いのかな」くらいの気持ちでした。
でも実際に子どもを通わせてみると、日々の宿題や授業の進め方、先生とのやりとりなどを通して、カリキュラムの違いを強く実感するようになりました。
我が家の子どもたちが通う学校は、小学部が「国際バカロレア(IB)」、中学部が「ケンブリッジ国際教育」という、学部ごとに異なるカリキュラムを採用しています。そのため、両方の特徴を間近で見比べることができています。
今回は、そうした経験をもとに「国際バカロレア(IB)」と「ケンブリッジ」がどのように違うのか、そしてどんなお子さんに向いているのかを、親の視点からご紹介したいと思います。
国際バカロレア(IB):問いから探究し、世界につなげる

IBには、教科書もペーパーテストもないことがほとんど。「じゃあ何を勉強するの?」と不安に思う方も多いと思います。
IBの特徴といえば、なんといっても UOI(Unit of Inquiry=探究の単元) の授業。例えば「貨幣」「自然災害」など、社会に実在するテーマを取り上げ、歴史・社会・経済・アートなど多角的に探究していきます。
授業はテーマに関連する問いかけから始まり、ディスカッションや発表も多く取り入れられています。
授業のプロセスは、なぜ?なぜ?と探究を深めていき、クラスメイトと意見を交わしながら自分なりの考えを確立していきます。子どものものの見方や感性が引き立ち、個性が伸びる学習と言えるでしょう。
好奇心や表現力、コミュニケーション力が自然と育ち、学力を“点数”で測るというよりは、グローバルに生きるための力を養うことを目的としたカリキュラムです。
ケンブリッジ国際教育:知識を積み上げ、学力を形にする

ケンブリッジカリキュラムはしっかりとした知識を土台として、思考力や分析力を鍛えていく基礎学力重視のカリキュラム。教科書やテストもあるので「子どもが今どんなことを学んでいるのか」が見えやすく、親としては安心感があリます。
学年が上がると選択科目も増え、自分の興味を深く学べる仕組み。試験でしっかり学力を測るので、子どもの得意・不得意が明確に分かり、行きたい進路につながりやすいでしょう。
IBほどディスカッションやプレゼンは多くありませんが、単なる暗記ではなく、論理的思考やデータを読み解く力も重視されます。また、シンガポールのローカル教育にも近いため、将来ローカル校への転校を検討するご家庭にもなじみやすい特徴があります。
IBがひとつの問いから発展させていく科目横断的なアプローチに対し、ケンブリッジは科目ごとの基礎学力をベースにより複雑な事象を読み解いていくアプローチと言えるかもしれません。
どんな子が向いているの?カリキュラムのまとめ
どちらのカリキュラムも国際的に高い評価をされており、またシンガポールのインターナショナルスクールに限らず、世界中の学校で選ばれています。
大切なのは、お子さんの性格やご家庭の教育方針に合うかどうか。以下にそれぞれのカリキュラムのポイントをまとめてみました。
IBが合うタイプ
・好奇心旺盛で、議論や発表が好き
・興味のあることをのびのび探究したい
・実社会に近いテーマで考える力をつけたい
※注意点:教科書ベースのテストがないため、学力を一律に測るのは難しい
ケンブリッジが合うタイプ
・コツコツ型で、教科書+ノートで学ぶのが得意
・学力をしっかり測って把握したい
・基礎学力を確実につけたい
※注意点:科目以外の子どもの個性や興味は見えにくいことも
カリキュラム選びのヒント

学校がどのカリキュラムを提供しているかは重要なチェックポイントですが、それだけでは判断できません。
同じIBやケンブリッジでも、学校の教育理念や先生方の方針、科目の組み合わせや授業の進め方によって、学びの体験は大きく変わリます。また、当校のようにカリキュラムを組み合わせていたり、戦略的に転校してその時々のお子さんの状態にあわせていったり、といった方法もあります。
カリキュラムのラベルだけで決めるのではなく、お子さんの性格やご家庭の教育方針と照らし合わせ、学校全体がどんな教育をしているのかを見極めることがポイント。きっと、お子さんの活き活きとした学びにつながるはずです。
次回は、子供たちの実際の学びの様子をレポートしたいと思います。
※ IBやケンブリッジ国際教育の正式な情報は、ぜひ公式サイトで確認してくださいね。
この記事を書いた人
清水泰子(しみずやすこ)
シンガポール在住、3児の母。不登校の後、オーストラリア高校留学。大手日系・外資系企業を経て、現在はインターナショナル校勤務。









