子育てスペシャル ベテランママ・パパ向け

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2019月5月10日(金)

アジアで子育て―シンガポール編―

在星されたご家族が、シンガポール生活を楽しく快適に送るための数々のサポートを行うAlpha-K代表の笠間聡子さん。ご自身も幼少時から、ロンドンやニューヨークで過ごされた経験を持ち、親と子どもの両方の視点による行き届いたサービスに定評があります。シンガポールの教育や生活事情を知り尽くした笠間さんにうかがいました。


vol.1 マレーシアの子育て&教育事情


vol.2 タイの子育て&教育事情


Alpha-K 代表 笠間聡子さん シンガポールでインター校への入学サポート、生活サポートなどプライベートコンサルタントとして活躍。学校の面談での通訳やメイド相談などニーズに合わせた柔軟な対応と、顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを行う。ご相談・ご依頼はこちら>>


Qシンガポールの教育の特徴はどこにありますか?


 A英語・中国語に触れて暮らす多民族国家のメリットは大。


 


街並みまず、シンガポールには幼稚園から大学までたくさんのスクールがあり、ご家庭の方針やお子さんの性格、学力などに合わせて学校を選ぶことができるというメリットがあります。


ローカル校、日本人学校はもちろん、インターナショナルスクール(インター校)も多数あり、アメリカ系、イギリス系、カナディアン、オーストラリア系など選択肢が豊富です。次に、お子さんに英語と中国語を学ばせたいと考える親御さんも多く、中国語が日常的に飛び交う当地は語学教育の場としても魅力的。またほとんどの学校で語学学習に中国語が取り入れられている点も、シンガポールの学校の特徴です。


皆さんご存じの通り、シンガポールは世界中から駐在員のご家族が集まってくる多民族国家です。その環境の中で教育を受けるということは、高いコミュニケーション能力が身に付くだけでなく、日本の良さを再発見し、お子さんご自身が日本人であることのアイデンティティを見つめ直すきっかけにもなります。


治安の面でも安心して暮らせるシンガポールは、小さなお子さんの教育の場として理想的な国だと実感します。


Qインター校を選ぶ際に気を付ける点はどこですか?


 A見て聞いて、ご自身の直感を信じて決断をすることが大切です。


パスポートシンガポールにあるインター校はそれぞれ特色のある教育理念を掲げており、授業のカリキュラムにも違いがあります。まず大切なことは、ご自身のお子さんにどのような教育を受けさせたいかということです。国際感覚を身に付けて将来は海外の大学を目指したい、数年後には日本に帰国の予定があるので帰国後に後れを取らないようにしたいetc…。


お子さんが小さくてまだ明確なイメージが持てないという場合は、気になる学校を実際に訪ねてみることをおすすめしています。その際、学校の設備だけを見学するのではなく、教室にも足を運ぶとさらにその学校の特徴をつかむことができます。クラスのレイアウトは担任に任されていることが多いので、たとえば室内の様子、掲示物などからも校風がわかりますし、アットホームな学校なのか教育重視型なのかといったことを実感できるでしょう。その学校に通われている生徒さんを見たり、先生と直接お話したりすれば、さらにご自身のお子さんに合うかどうかがイメージできると思います。


お子さんの学校選びは親御さんにとっても大きな決断です。インターネットでの情報が氾濫する今だからこそ、足を運んだ時に感じたご自身の「直感」を信じることが大切ではないでしょうか。


Q学校の英語レベルが高く、子どもがついていけるか心配です。また編入にベストな時期はありますか?


 A子どもの英語レベルは過剰な心配は無用。一方で小さな時は順応性が高いという見方も。


地球儀入学の段階で英語が話せなくても「EAL(ESL)」(英語を母語としない生徒のための英語クラス)プログラムを用意している学校もあるので、それほど心配する必要はありません。日本から初めてインター校に入るというようなお子さんの多くがこのクラスに入って英語力を身に付けます。


ほぼ駐在員のご家族で構成されているシンガポールのインター校は、年間を通じて転入生が多いため、先生も在校生もそういった生徒さんの扱いにとても慣れています。英語が苦手でも子ども同士はすぐに友だちになれますし、スポーツなどのアクティビティや野外活動を通じて日々ネイティブのお子さんと接するうちに、自然に英語力が身に付きます。親御さんも積極的にお友だちを家に招いたり、週末に一緒に遊ぶ機会を与えたりするなど、友だち作りをサポートしてあげてください。


入学や編入のタイミングは年齢が低いほど順応性が高いという見方もありますが、個人差があり一概には言えません。


Q教育と子育てに悩む在星者の方々へのアドバイスをお願いします。


A 子育てに焦りは禁物。おおらかな心で成長を見守りましょう。


ジャンプ本来インター校とは、外国人が英語を学ぶための場所ではありません。どのインター校も、日本の学校と比べると宿題も少なく、その自由なスタイルに「大丈夫かしら」と、転校当初は戸惑う親御さんも多いようです。


私自身も、生徒の自主性を尊重するインター校の教育方針は、日本とは大きく異なると感じることがあります。たとえば算数などでは答えが正しいかどうかだけでなく、解答までの過程を重要視し、結果だけで子どもの能力を判断するようなことはありません。グループワークやリーダーシップ、コミュニケーション能力を問う授業も日本より多くあるように思います。もちろん当地のインター校より日本の学校教育の方が合うお子さんもいらっしゃいます。


どちらが良いかはお子さん次第ですが、今までの経験上「シンガポールのインター校に転校し、勉強することの楽しさを知った」「学校が好きになった」という声を多く耳にし、そのたびにこの仕事をして本当によかったと感じます。


多民族国家シンガポールで暮らす中で他国の文化を受け入れ、尊重しあう協調性が自然に育まれます。海外での生活体験で、子どもたちは言語だけでなく将来に役立つ適応能力や社会性を日々養っています。


もちろんお子さんとの海外生活では、親御さんの迷いや心配ごとは尽きないでしょう。特に当地にいらしてすぐは環境に慣れるまでに時間がかかります。そんなとき、少しでもお子さんのストレスを減らし、ご家族全員で当地での暮らしを楽しみながら、おおらかな心でお子さんの成長を見守ってあげてほしいと思います。


 


【最後に】


シンガポールには多数のインター校があります。ここ数年、日本でも注目されているIB(国際バカロレア)ディプロマ・プログラムが取得できるカリキュラムをはじめ、多様な学習内容を取り入れているインター校やローカル校が存在します。英語、中国語、マレー語など様々な言語と国籍の人々が交じり合う多民族国家シンガポール。学習、環境の両面から、当地は世界水準の子育てがかなう教育先進国と言えるのかもしれません。


 


 

ベテランママ・パパ向け
vol.3 シンガポールの子育て&教育事情