子育てスペシャル 新米ママ・パパ向け

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2019月5月24日(金)

VOL.1 シンガポールで多い赤ちゃんトラブルとは?

子育て中ママから届いた「こんな時どうするの?」に、シンガポールの小児科ドクターがアドバイス。異国の地で生まれ育つ赤ちゃんがすくすく元気な毎日を送ることができるように、赤ちゃんに多いトラブルとその解消法についてうかがいました。プレママも子育て中のママも必読です!

お話しをおうかがいした先生:ラッフルズ ジャパニーズ クリニック 長澤哲郎先生 

小児科・小児神経科の専門医。国立精神・神経センター小児神経科、国立成育医療センター神経科、米国ミシガン小児病院リサーチフェローなどを経て、2017年5月より現職。海外での子育てに多い不安や疑問に寄り添い、医療面だけでなく幅広く子育てについてアドバイスする。

Q 赤ちゃんの安全のために一番必要なものは何ですか?

A 「モノ」より大切!「子育てのリテラシー」を身に付けましょう。パソコン画像

出産育児に必要な「モノ」は、シンガポール国内でも簡単に入手できる時代ですから、物質的な何かを用意するというより、育児に必要な正しい「知識(リテラシー)」を持つことが重要です。シンガポールの医療機関にかかること自体、敷居が高いと感じる日本人の妊婦さんは多いように感じます。日本と違い、当地で出産した後に役所から予防接種や乳幼児健診のお知らせは届きません。ですからご自身である程度の知識を持っておくことが必要です。また救急外来を受診する場合、どこへ行ったらいいのか、どのくらいの費用がかかるのかといったことをあらかじめ調べておけば、いざという時に慌てずにすみます。

育児に必要な情報を入手する時にインターネットはとても便利な反面、すべてが正しいとは限らないことに注意してください。例えば「白砂糖よりナチュラルな黒砂糖が良い」という情報が散見されますが、サトウキビやハチミツは乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、離乳食には適していません。正しい情報を入手するためには、小児病院や学会、自治体など、信頼できるサイトを参考にすることをおすすめします。数ある情報の中から、何が正しいのかを見極める能力「子育てのリテラシー」を身に付けることが大切な時代です。

Q アレルギー予防と離乳食について教えてください。

A 離乳食の始め方とアレルギー予防の研究は進化しています。離乳食

赤ちゃんの離乳食を始める時、心配になるのはアレルギーです。10年ほど前までは、アレルギー源になりやすい食品、たとえば卵やナッツ類、乳製品の摂取はなるべく遅くするという考えがありました。しかし最近の研究で、その方法ではかえってアレルギーを起こしやすくしてしまうことがわかってきたのです。その結果、現在では標準的なスケジュールに従って離乳食を進めていくのが望ましいと考えられています。

アトピーやアレルギーのない赤ちゃんについては、5カ月ごろから離乳食を始め、ヨーグルトや加熱した卵などを食べさせてみましょう。新しい食品を与える時は、平日の午前中に耳かき1杯程度の少量から始めてください。問題がないとわかった食品は、あまり間を開けずに定期的に食べさせることを心がけてください。離乳食の進め方や考え方は国によっても大きく違います。ポイントを押さえ、少量からゆっくり増やしていくという注意点さえ守れば、極度にアレルギーを恐れる必要はありません。湿疹がひどい場合は医師と相談してください。

Q 1歳未満の赤ちゃんの発熱と通院のタイミングについて知りたい。

A 熱だけでなく、赤ちゃんの状態をよくチェックして正しい判断を。赤ちゃんの薬

生後3カ月未満の場合を除けば、熱の高さだけで病院に行くか行かないかを決めるべきではありません。生まれたばかりの赤ちゃんは、胎盤を通じて病気に対する抗体をしっかりもらっているため、3カ月くらいまでは熱を出すことはあまりありません。もしもこの時期に、明らかに38度以上の発熱があるようなら緊急の受診が必要です。夜間や休日でも大きな病院の緊急外来を訪ねてください。

6カ月以上の赤ちゃんの場合、水分をしっかり摂取できていて、機嫌も悪くないようでしたらあまり慌てなくても平気な場合が多くなります。3カ月から5カ月の間は判断が難しく、気になることがあれば早めに受診してください。

1歳近くになると、風邪や突発性発疹などによる発熱が増えます。しかし大切なことは熱以外の症状や、赤ちゃんの身体の状態です。機嫌が悪い、元気がない、なんとなく様子がおかしいといった変化があるかどうか。また、普段から赤ちゃんの平熱を測っておくことをおすすめします。時間帯ごとの平熱を知り、基準にするといいでしょう。

こんな時は要注意!すぐに受診しましょう

・生後3カ月未満で、38度以上の発熱がある

・顔色が悪く、苦しそう

・元気がなく、ぐったりしている

・頭が痛い、吐くなどの症状がある

・意識がもうろうとしているとき

・呼吸が苦しそう

Q 薬の上手な服用法と使用期限について教えてください。

A 「食前」や小分けの服用もOK。薬は早めの使用をお勧めします。ヨーグルト

赤ちゃんの薬は、一般的に食事の前に服用する方がよいでしょう。薬で胃があれるのでは?と心配するかもしれませんが、赤ちゃんに出すものはそういった心配がほとんどありません。食後だと、お腹がいっぱいでちゃんと飲んでくれないこともしばしば。食前であればその心配もなく、服用した後に食べ物を口に入れることで口直しになるという効果も期待できます。薬をなかなか飲ませられない場合は、赤ちゃんが好むヨーグルトなどに混ぜても構いません。また1回3ccの量でしたら、1ccずつ3回に分けて服用させても問題ありません。

湿気の多いシンガポールでは、粉状のものよりシロップタイプのものが多く、開封した薬の期限は長くても半年程度と考えてください。再使用する場合は変色がないか、薬の状態をしっかり確認することが大切です。

【最後に】

初めての子育てには不安がいっぱい。小児医療が進化する現代においては、古い情報や根拠のない常識を過信するのはよくありません。とくに小さな赤ちゃんは体調の変化も激しく、通院の機会も増えがちですが、何かわからないことがあったら、まずはかかりつけの医師や専門家の意見を聞いて正しい判断を。また、日ごろから赤ちゃんの機嫌や様子をよく観察しておくこともパパ&ママの大切な役目ですね。

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