子育てスペシャル 新米ママ・パパ向け

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2019月4月12日(金)

赤ちゃんは、泣くのが仕事。でも、実際に泣くわが子を前にすると、一刻も早く泣き止ませたくなるものです。


おむつは濡れてない、お腹も空いてない、眠くもない。じゃあ、なんで??


理由に心当たりがないときに頼りになるのが、泣き止み動画。筆者の子ども(生後6カ月)で、どのくらいで泣き止むのか実測したところ、どの動画も開始5秒以内でピタリ。まるで、魔法。


これらの動画で泣き止むのは、偶然ではありません。科学的根拠に基づいて制作されています。根拠の解説の前に、まずは動画のご紹介を。


|海外の視聴者も多数「ふかふかかふかのうた」



家事や育児に忙しい子育て中の女性をターゲットにしたソフトキャンディ「カフカ」のプロモーションの一環として制作。国際広告賞で銅賞を受賞、スペインで1日約8500再生回数を記録するなど、海外でも話題になった動画。


|95%以上の赤ちゃんに効果アリ「ムーニーちゃんのおまじない歌」



おむつブランド「ムーニー」が制作した泣き止み動画。ぐずり泣きやバタバタなどの不快表現を示す、生後3カ月から17カ月の乳幼児56名に聴かせて検証したところ、96.4%の赤ちゃんに対して泣き止むなどの効果を発揮


|大人もハマる不思議な世界観「しろめちゃんのうた」



©まきの まや/TMS


まきのまやさんによる、人気絵日記ブログ「しろめちゃんとおまめさん」。30〜40代のファンが多いことから、子育てに奮闘する彼らに喜んでもらいたい、と制作された同作。不思議な歌詞とアニメーションの楽しい振り付けに、大人の中毒性も高いと評判。


|3つの動画に共通するのは「定位反射」


定位反射とは、小さな子どもが初めて見聞きするものに対して「なんだ、なんだ?」と興味を示す反応のこと。前出の動画は、いろいろな効果音や、高めの周波数転調する歌い方を組み合わせ、定位反射を促しているのです。


|真似て歌っても効果はある?


泣く子の心をグッとつかむ、救世主。しかし泣きだしてから、スマホを操作して動画を流すまでの時間も惜しい。母が真似て歌うのではダメかしら(声も低いし)……と疑問に思い、「ふかふかかふかのうた」と「ムーニーちゃんのおまじない歌」を監修した日本音響研究所・所長の鈴木創先生にお尋ねしました。


「ママたちが歌うことでうまく定位反射が発生すれば、効果はあると思います。声が高い人のほうが有利ですが、声以外で赤ちゃんが聞こえやすい5000Hz〜7000Hzを持つ音をうまく活用すれば、効果が期待できる場合もありますよ」(鈴木先生)


一般的に、ソプラノ歌手の歌声が約2000Hz、ピアノのもっとも高い音が約5000Hz(高い!)。となると、やはり母自ら歌うよりも、動画に頼るほうがよさそう。


ただし、「個人差が大きいところではありますが、慣れてしまって効果が薄くなる傾向は、ないとは言い切れません」とのこと(生後6カ月のわが子、ここひと月、毎日見せていますが、いまのところ百発百中で泣き止みます)。


|いつかその日が訪れるまで


ちなみに、「ふかふかかふかのうた」が海外でも評判であるということは、泣き止み効果は言語からではなく、音から得られているのでしょうか?


「まだ言語体系や生活様式の影響をあまり受けていない状態の赤ちゃんであれば、日本人に限らず効果があると思います。ですが、もう少し成長すると言語や生活様式のなかでの学習による影響が出てくるとともに、日本人であっても泣いている要因が複雑になるので効果が薄くなっていきます」(鈴木先生)


つまり、いつか魔法が解ける日がくるということ。その日まで、ぜひともお世話になりましょう。


お話をうかがったかた:鈴木 創さん


日本音響研究所 代表。音声・音響に関する鑑定や研究開発、電波・音響に関するコンサルティングを行う。警察庁や各国政府機関の音声、音響分析のほか、「赤ちゃんけろっとスイッチ」や「バウリンガル」などの監修を担当。

新米ママ・パパ向け
まるで魔法。ぐずり泣きがピタリと止まる動画