子育てスペシャル 新米ママ・パパ向け

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2020月4月16日(木)

家庭の太陽であるお母さんが笑顔でいられるために

Mangosteen Club 2020年1月号 の幼稚園特集との連動企画、第2弾となる今回はスペシャルインタビューとして、Mothers’ Earth Community代表の安田菜穂子さんのロングインタビューをお届けします!


◆安田菜穂子さんロングインタビュー◆

幼稚園選びと子育てについて
せっかくシンガポールにいるのだからローカル幼稚園?
それとも帰国したときに困らないように日系?
インターの教育も気になるし……

日本に比べて選択肢が豊富なのは良いけれど、多すぎてどうやって選んだらよいかわからない。そんなパパ・ママも多いことでしょう。そこで、先輩ママにお話を伺いました。

今回協力してくださったのは、「自然派育児」をキーワードに勉強会などの活動を行っているMothers’ Earth Communityの安田菜穂子さんとサポートメンバーのみなさんです。

このページでは、安田菜穂子さんのロングインタビューをお届けします!

*サポートメンバーによる幼稚園選びについてのアンケートはこちらをご覧ください。


【目次】

自分のやりたいことを我慢せず、息子との時間も満喫

幼稚園で刺激を受けて、子どもの特性が花開く

環境の変化を嫌い、泣いて離れなかった息子

家庭の太陽であるお母さんが笑顔でいられるように



自分のやりたいことを我慢せず、息子との時間も満喫

--お子さんが幼稚園に通い始めたのは何歳からですか

第2子出産の予定に合わせて、第1子の息子は2歳8カ月から幼稚園に通い始めました。 シンガポールでは早くから幼稚園預ける選択をする方が多い中、息子とは3歳までは一緒にいたいと考えていました。

理由は3つ。 1つ目は、第2子出産を控えていたため、息子と2人きりで過ごせる時間が限られているからこそ、今一緒にいたいと思ったから。
そして2つ目は、彼の性格が慎重派なのを見ていて、下の子ができる前に彼の愛情のコップをたっぷりと満たしてから、母子分離をしたいと考えたから。
最後に3つ目は、自分の気持ちや幼稚園の状況を、ある程度自分の言葉で説明できる年齢になってから母子分離をしたいと思ったからです。

ただ、息子が幼稚園に通い出すまで、自分のやりたいことを我慢していた訳ではありません。自分が主催するMothers’ Earth Communityの勉強会も息子が一緒にいても実現できるように企画していましたし、習い事として通っていたベリーダンスも子連れで行ける場所を選びました。
私が勉強会で講師を務める際も、会場内で友人に遊んでいてもらうなど工夫をしました。 周囲の理解と友人たちの手を借りることができたので自分がやりたいことを我慢せずに、息子との時間を過ごす事ができました。

「早く幼稚園に預けて、自分だけ時間を持ちたい」という気持ちがなかったと言えば嘘になりますが、娘の出産前に、お兄ちゃんになって我慢する事もあるだろう息子とたっぷり時間を過ごし、思い切り甘えさせてあげたい気持ちが勝っていたように思います。

ただ、実際は第2子のお産が近づいてきたので、2歳8カ月のときに幼稚園に入園を決めました。娘の出産予定日の2カ月前です。彼が幼稚園の環境に慣れるまで1カ月間、彼のサポートをして、出産予定日の1カ月前に住み込みのヘルパーさんを雇い始めました。

ヘルパーさんを雇うことには迷いもありましたが、万が一、陣痛時に夫が不在の場合は誰かに息子の面倒を見てもらわなければなりません。お友達にも随分相談したのですが、出産といういつ起こるかわからないイベントで24時間体制のサポートをもらえる住み込みヘルパーさんを雇うという選択をしました。

妊娠後期では、いつ陣痛がはじまるかわからない不安や焦りと向き合わなければなりません。そうした時期にヘルパーさんがいたことは、精神的な安心感がとても大きかったです。当初は出産前後だけ雇うことを考えていましたが、子どもたちと向き合える時間が増えていてとても助かっていて、2年経った今も継続して我が家で働いてもらっています。

ヘルパーさんを雇うことに対して、以前の私は「自分が頑張ればできるのだから、わざわざ雇わなくても……」「みんな頑張っているのに母として怠けているのでは」と抵抗を感じていました。しかし実際に雇ってみて、考えが大きく変わりました。

家庭の中でお母さんが頑張りすぎず、余裕をもっていることは本当に大切なこと。『お母さん』って、本当にすごい偉業を成し遂げています。重労働かつマルチタスクの役割で、命を預かって、未来の地球で活躍する子どもを育てている存在です。

そのお母さんが家庭の中で、お子さんにとってご主人にとって「どんな存在でいるか?」が家庭の明るさを左右すると思っています。余裕がなくて笑顔でいられなくなってきたら、少しずつ誰かに頼ることを考えてみるのも良いのかなと思っています。

特に自分の親などから手助けを得にくい海外だからこそ、シンガポールならではのサービスに頼るのは決して悪いことではないと実感しています。


幼稚園で刺激を受けて、子どもの特性が花開く

--幼稚園探しはどのようにしましたか

フリーマガジンと友人からの情報です。その上で実際に雰囲気をつかみたいと思い、ローカル、日系、インターの園をそれぞれ見学しました。

いろいろな園を多数見たうえで、日本人の先生が園長を務めるローカルの幼稚園に決めました。決め手は園長先生の考え方が自分と近かったことです。園長先生は「幼稚園で全てができるわけではないから家庭でも頑張ってほしい」「幼稚園と家庭の役割は違う」という考えをはっきり伝えてくださいました。

私自身も家庭教育が主であり、幼稚園はあくまでサポート、任せっきりの存在ではないと考えています。家庭の役割は、食を通じた体作りと親が人生を楽しんでいる背中を見せることだと考えています。そんな思いとぴったりはまったので、この幼稚園に決めました。

 

--お子さんの幼稚園での生活はどうですか

園長先生が日本人ということもあり、日本人の園児も多いです。息子は日本人のお友だちとは日本語で、日本語を話さないお友だちとは英語で、園の先生とは英語と中国語というように3カ国語を使い分けています。

日系の幼稚園では、連絡帳によって園での様子を細かく把握することができると友人から聞くのですが、ローカルの幼稚園ではそれがありません。でも、気になることは聞けばすぐに答えてくれますし、要望にすぐ対応してくれたり先生同士でディスカッションしてくれたりと非常に柔軟です。

出来ることと出来ないことの線引きが明確でコミュニケーションがとれるオープンな園なので、満足して通わせてもらっています。

日本のように空気を読んではくれませんが、︎言葉にして伝えれば動いてくれることは沢山あるように思います。これは“海外あるある”でもありますね。疑問や要求を口に出して伝えないと伝わらないというスタンスで接することが大事だと感じています。

子どもにとって親と離れて過ごす時間はとても貴重です。親が見ていないからこそ成長する場面があるのかなと感じています。自分が手にしたおもちゃを他の子に渡すなんてできなかった子が「どうぞ」と渡したり、年下の子にやさしくしていたり。 一人の人間として社会が広がっていくのを垣間見ることができて、人間ってなんて面白いのだろうと感動します。

また、幼稚園という社会の中でいろいろな刺激を受けることで「こういうことが好きだったのか」と子どもの特性もわかってきます。私だけでは決して渡せないギフトをたくさんもらってきているような気がします。

時には子どもから「〇〇ちゃんから嫌いって言われた」「叩かれた」といったネガティブな報告を受けることもあります。でも、事実はわからないんです。幼稚園に事実確認はしますが、全てのシーンを先生が見ているわけではないですし、どこまで根深いのかもわからない。

だからこそ「この幼稚園はちゃんと子どもたちを見ていないのでは」「子どもが嫌がっているから幼稚園を変えた方がいいのでは」という思いを抱くよりも、子どもと話して気持ちに寄り添いながらも、「子ども自身が自分で解決する力がある」と信じて、どーんと送り出すことも必要だと思ってます。

お母さんが幼稚園に対して不安になったりアタフタすることが、子どもに一番不安を与えると思っています。時には幼稚園を変える決断も必要でしょうが、お母さん自身の問題であれば園を変えても続く問題なのかもしれません。その点の見極めは難しいですが、「もしかして私の問題では?」と考えてみるのも良いのではないでしょうか。


環境の変化を嫌い、泣いて離れなかった息子

--大変だったことはありますか

環境が変わることに抵抗があった息子は、通いだした最初の1カ月、園に馴染むのに苦労しました。幼稚園まで送っても大声で泣いて私から離れない。30分ぐらいそうしているうちに、先生に引きはがされるようにして教室に連れていかれる、というのが続きました。

そんな息子を見ると私自身も苦しくて、ごめんねという気持ちでいっぱいになりました。 でも、私ができることは息子に謝ることではなく、気持ちを切り替え、言葉で伝えることだと思いました。

息子が幼稚園に行っている間、お母さんはこんなことをしてとても楽しいよ!と伝えました。離れることは2人にとって「楽しいこと」だと伝え続けたのです。息子も少しずつ幼稚園になれて、1カ月ほどで自分でバイバイして教室に入ることできるようになり、感動したのとともに、少し寂しかったのを覚えています(笑)。

また、息子の通う幼稚園は、1歳半〜4歳ぐらいまでのジュニアクラスと4歳以降のシニアクラスの2クラスで構成されているのですが、ジュニアクラスからシニアクラスへあがるタイミングは、本人に任せてくれます。

環境の変化に敏感な息子は、この時もなかなか上のクラスに行くと言いませんでした。次々と同い年のお友だちがシニアクラスに上がる中で、息子はシニアクラスに短時間の体験に行くものの、泣いて帰ってくるような状態。 私からも先生からも「シニアクラスはこんなことをやるんだって」と伝えたりもしてみましたが、頑なに拒否。私もしかたなく「彼には彼のペースがある」と見守っていると、ある日急に「シニアクラスに行く!!」と言い出したタイミングがありました。

その日の朝すぐに先生に連絡し、すぐシニアクラスに移りました。始めはクラスに馴染むのに時間がかかる子どもが多い中、「前からシニアクラスにいたかのように、スムーズになじんでいた」と先生から聞き、本人の意思とタイミングを尊重することが大切なのだと改めて思いました。

 

--幼稚園選びをしているパパ・ママにメッセージをお願いします

大切なのは自分の軸を持つことだと思います。

どの環境を選ぶかや何歳から通うかなど、幼稚園選びは皆さん悩まれますよね。また入園後も「これで本当にいいのだろうか」と悩んでいる声も多く聞きます。

こうした悩みの原因は、「この子に合っているか」ということを基準にしているからなのではないでしょうか。そうではなくて、お母さん自身がどう感じるかを基準にするとまた別の見方が出来ると思います。

お母さんが今がタイミングだと思ったらそのタイミングが入園のタイミングだし、お母さんの大切にしたいことの優先順位(例えば、食事や柔軟さなど)が満たされるからそこに決めるというのもいいと思います。

個人差はありますが、子どもって本当に環境への柔軟性が高く、たくましい存在だなぁと思います。だから「自分の子にこの幼稚園は合っているか?」という事に悩むのは実はあまり意味がないのかもしれない。

お母さんが「絶対大丈夫」とぶれない事で、子どもは敏感にその気持ちを汲み取って安心して通う事ができる。だからこそお母さん自身が自分の軸を知って欲しいと思います。

「自分の軸をもつ」ことは、私が主宰しているMothers’ Earth Communityの指針にもしていることです。自分の価値観というのは、身近な人の意見やネットの情報など、意外と周りの影響を受けやすいものです。特に海外に来たばかりだとどのように情報を得ればいいかわからないし、友だちも少ないという状況で少ない情報に流されがちです。

私にとって大切なことは何? とわからなくなったり、自分の軸に迷った時こそ、自分と似た価値観の人と積極的に交流してみてください。自分の気持ちをアウトプットして、それに対する色々な意見を聞くと、心地よいものと心地よくないものが見えてきます。それでやっと、自分はどうしたいのか、気持ちを確認することができるのではないかと思っています。


家庭の太陽であるお母さんが笑顔でいられるように

--Mothers’ Earth Communityについても教えてください。どのようなコミュニティですか

自然派育児をしたいお母さんが学べて繋がれるコミュニティです。立ち上げてもうすぐ4年になりますが、350名ほどのお母さんが参加しています。

安心安全な食事、調理方法、自己肯定感や想像力が育まれる子育てについての勉強会や、オンラインスクールなどを月2、3回開催しています。毎回15名ほどの少人数で開催し、横のつながりを大切にしています。子連れで参加できますが、親が真剣に学べる環境を作ることにフォーカスし、遊べるスペースも作っています。

このコミュニティを作ったきっかけは、シンガポールに来たばかりのころにさかのぼります。私にとっても子どもにとっても、2人きりで過ごすより、お友だちや他のお母さんとの触れ合いが良い刺激になるだろうと思いました。『みんなで助け合いながら子育てしたい』と考えていたのです。

そこで、9カ月の息子といろいろなコミュニティに参加しました。そうするうちに、ママ友になるなら価値観が似た人と繋がりたいと思っている事に気がづきました。

そこで立ち上げたのがこのMothers’ Earth Communityです。

自分や家族のことを大切に思う気持ちが、これからの未来の地球を美しくする選択につながる。そういう人とつながりたいと思ってコミュニティをスタートしたところ、嬉しい事に素晴らしい人たちがコミュニティに参加してくれました。私にとってかけがえのない仲間たちです。

Mothers’ Earth Communityは子どもではなくお母さんが中心。家庭の太陽であるお母さんの気持ちが一番尊重される事で、家庭に火が灯ると思っています。

また、正しい知識を実践するのが目的ではなく、個々のそれぞれの考えや幸せ感をベースに、自分の幸せの軸を見極めながらバランス良く情報を選択する力をつけていく。コミュニティの仲間とアウトプットしながら自分なりの幸せの選択軸を作ることが大事だと思って活動しています。

幼稚園選びも同じで、ぶれない軸を作るためには、一人であれこれ悩むよりも、価値観が似た人と話すことで軸がしっかりします。シンガポールにはありがたい事にいろいろなコミュニティがあるので、自分に合うコミュニティを探してみてはいかがでしょうか。

--ためになるお話をありがとうございました。

 

*Mothers’ Earth Community@シンガポール とは


食と子育てについて学べる、繋がれるコミュニティです。勉強会を定期開催しています。
安心安全な食べ物の選び方や、料理法、お買い物の仕方、子どもが病気になった時の家庭でできるお手当、自己肯定感が育まれる子どもへの接し方などについて、興味がある方はぜひご覧ください!

▶ブログ:mothersearthcommunity.amebaownd.com
▶ホームページ:mothersearthcommunity.jimdofree.com/
▶Instagram:mothersearthcommunity
▶Facebook:groups/MothersEarthCommunity
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