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シンガポールでの子どもの学校、どうする? LIFEコラム 

駐在に家族を伴ってシンガポールに来た方や、シンガポールへ教育移住した方、現地企業にお勤めの日本人家族など、シンガポールにはたくさんの日本人が暮らし、子どもたちも多く住んでいます。
学齢期をシンガポールで過ごすことになる子どもの学校、どうする?入るのは日本人学校?インター?またはローカルスクールに挑戦?それぞれにメリット・デメリットがあり、お子さんの将来的まで考えると選択に悩みますよね。この記事では、それぞれのシンガポールの学校選びのポイントを分かりやすく解説します。お悩みを解決するためのヒントになれば嬉しいです!

目次

シンガポールの教育の特徴と日本の教育との違い

シンガポール人はどんな義務教育期間を過ごすの?シンガポールの教育制度についてご紹介します。

シンガポールの学校制度と義務教育期間は?

日本人なら、小学校→中学校→高校→就職/専門学校/短大/大学と、私立と公立、高専など教育の内容に多少の違いはありますが、多くの方がこのようなほぼ一本道のルートを思い浮かべるのではないでしょうか?

シンガポールの義務教育はPrimary(小学校)のみ!6年間
現在は日本の中学にあたるSecondary(中等教育)に行かない子はほぼいませんが、小学校卒業で教育を終えることも可能です。中等教育も、小学校卒業時に受けるPSLE(初等学校卒業試験)の成績によって、エクスプレス/アカデミック/テクニカルのSecondaryと進路が分かれていき、また特に優秀な子の行くSpecialized Independent Schoolsなど日本よりもずっと早い段階で進路についての戦略を立てることが必要です。

超詰め込み?ストリーミング制と二言語教育を解説

先ほど述べた初等学校卒業試験(PSLE Primary School Leaving Examination)によって、その後のコースがほぼ決められる仕組みがストリーミング制です。半数以上が大学に進学する日本人には驚きかもしれませんが、シンガポール人の大学進学率は30%前後です。試験の成績によって大学の受験資格を得ていくわけですが、シンガポール人の子どもは幼稚園からすでにPSLEを照準に入れた教育を始める人が多いです。

またシンガポールは多民族国家のため、授業に使う英語の他に母語(中国語、マレー語、タミル語)の授業があります。シンガポール人の多くがバイリンガルなのは、この二言語教育の賜物です。

ただ、ストリーミング制は、2024年から段階的に廃止される方針で、より個人の特徴に沿った教育へと変化していく予定です。すべての科目に秀でている人を掬い上げていくのではなく、得意な教科をより伸ばしていく方向に進んでいくと考えられるため、勉強自体の必要性や学習塾のニーズはこれまでとは違った形で続いて行くと思われます。

日本人学校、インター、ローカルそれぞれの特徴

日本学校、インター(インターナショナルスクール)、ローカル学校それぞれの特徴をご紹介します。

日本人学校とは

シンガポール政府に認可された、日本式の教育を行う私立学校です。日本人会の会員の子どものための学校で、日本以外のルーツを持つ子どもも入学できますが、シンガポール人は法律で認められていないため入学できません。日本の小中学校と同じような感覚で通うことができます。

インター(インターナショナルスクール)とは

アメリカ、イギリス、インドなど外国人の子どもたちのための教育機関です。英国式、フランス式、国際バカロレア認定校などさまざまな特徴を持った学校があり、シンガポールには高水準の教育で有名なインター(インターナショナルスクール)が多くあります。

ローカルスクールとは

シンガポール人の子どもたちが通う学校。日本の3学期制とは異なり、1月始まりの2学期制です。(シンガポール教育省

また、シンガポールの義務教育は小学校までで、中学校からは成績によってさまざまな進路に分かれていきます。シンガポール国内の大学を希望する場合は、PSLEで優秀な成績を収めてExpressコースやSpecialized Independent Schoolsに行くことが最も近道ですが、Polytechnic(高専)に行ってから大学受験の資格を得る方法もあるなど、日本よりもシステムが複雑です。そのため、進路について日本よりも早いうちから親が戦略をしっかり持っていることが必要になります。

日本人学校、インター、ローカルのメリット・デメリット(不安な点)と対策

日本人学校、インター(インターナショナルスクール)、ローカルスクールに行くとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?また、不安な点をカバーするためにどのようなことができるのでしょうか?

日本人学校のメリット

ストレスが少ない

周りはほとんど日本人で、日本語の授業、日本の学校でのやり方がそのまま通じるため海外での新生活で不安を抱えているお子さんにとってストレスが少ない環境で学べます。海外生活で心配される国語力低下の心配もないため、帰国してからも日本の学校に無理なく入ることができる点も日本人学校に行くメリットです。

英語教育が充実

日本人学校では、その国の言葉の授業を行っているところが多くあります。シンガポールの日本人学校も英語教育が充実しており、日本の小学生よりも高いレベルの英語力が身に付きます。

日本人学校に行った場合に考えられるデメリットと対策

受験の準備が間に合わないかも?

日本での中学受験・高校受験を考えている場合、受験勉強が間に合うか不安になる方も多いのではないしょうか。
日本人学校の卒業者も、帰国後の年数が1年~3年以内と短ければ帰国子女枠での出願ができます。

また、帰国の予定はあるけれど入試まではまだ期間がありその間の遅れが心配という方。シンガポールには早稲田アカデミー、駿台など日系の大手学習塾が充実しています。入試対策もしてくれるので、学習面のフォローアップも安心できるのではないでしょうか。

さらに高校以降もシンガポールに住む予定でも、シンガポールには日系高校の早稲田渋谷シンガポール校がありますので、日本語環境での教育を続けることもできます。

学年が上がってからのインター転校はかなり厳しい

日本人学校に通ってみた後でやはりインターへ転校したいと考えた場合。シンガポールのインター校はレベルの高い学校が多く、中高学年まで日本語の学習環境で過ごした後では、英語の授業に付いていったり友達を作ったりすることに大きなハードルができてしまうかもしれません。お子さんにとっても親御さんにとっても大きなチャレンジになりますが、シンガポールは英語の補習塾やインター校のカリキュラムに合わせたサポートが受けられる学習塾が充実しています。
違う環境で学んでみたくなったとき、それをバックアップできる環境があるところがシンガポールに住む大きなメリットでもありますね。

ローカルスクールのメリット

世界最高水準のレベルの高い教育

シンガポールの義務教育は世界でも最高クラスの水準を維持しています。ストリーミング制で説明したように、早いうちから進路を見据えて勉強しなければならないので親も子も熱心に勉強に取り組みますし、授業内容も、特に理数系については進度が早く2015年には小中学校の算数・理科すべてにおいてシンガポールが世界一位を獲得したことがあります。(国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)における成績

中国語の習得も可能

これは実は中国語に限った事ではありませんが、シンガポールのローカル校は英語+母語の二言語教育を行っています。日本人の場合は母語を免除してもらうこともできますが、中国語やマレー語など英語以外の言葉についても日常生活に困らない語学力がつきます。
ただ、大きくなるにつれ中国語は家庭内・友達・同僚との会話のみとなり仕事では英語を主に使うようになるので、アカデミックやビジネスレベルの中国語力をつけるためには中華系のシンガポール人であっても補修や学び直しは必要なようです。

ローカルスクールに行った場合に考えられるデメリットと対策

希望する学校に入れる確率はかなり低い、学費も高い

公立校は、兄弟と同じ学校・親が卒業生・親のボランティア実績などの項目によって入学許可に優先順位が付けられています。いくつかの段階に従って希望者を振るいにかけていき、同じ条件の下で希望者が重なると、抽選や家が近い人が優先されます。
ただ、これはシンガポール人のための選考基準なので、外国人はこの中に入っていません。

外国人の希望者は余剰枠が出た場合のみ入学申請ができます。シンガポール人→PR(永住者)→外国人という優先順位があるため、どんなに近所であっても定員に空きがないと申し込みはできません。

進学実績のある優秀な学校は当然人気なので、そこに外国人が入れる確率はかなり低いものとなるでしょう。
学費も日本の公立学校とは違い、PRではない外国人の場合は日本の私立小学校と同じくらい必要です。

勉強はかなりハード、学力第一主義

成績優秀者の多い小学校はもちろんですが全体的に授業のレベルは高く、国際的な学習到達度調査でも日本を上回っています。このことからも分かるように、ローカルの学校は日本の公立小学校のイメージとは違い勉強量が多いです。
また、中学から大学進学までの最短ルートをとるためには、小学校卒業時のPSLEでかなり優秀な成績を取らなければなりません。必ずしも大学を希望しなくても、将来を見据えて逆算していくとPSLEに全てが集約されていることになるので、シンガポール人の多くは親は早くから教育熱心です。
日本の公立小中学校のような課外活動の充実や伸び伸びとした教育などは、シンガポールのローカルスクールではあまり期待できません。

ただ、必ずしもシンガポールで高校・大学までの進学を見据えていないのであれば、そこまで児童が勉強一色にならずに過ごしている学校もあります。またシンガポールで現地の学校で学んだ経験は帰国後や他の国に住んだ時にきっと役立つでしょう。勉強の面でも、教育熱心な親の多いシンガポールにはPSLE対策のための塾や家庭教師のサービスがたくさんあります。サポートする親の方も大変かもしれませんが、他ではできない貴重な経験をしてみることも大切かもしれませんね。

インターのメリット

グローバルな環境

シンガポールには多様な民族が集まっています。そのため、インターに通うことで、そのような様々な文化を持つ人達と一緒にグローバルな環境で学ぶことができます。異なる文化背景を持つ生徒たちと交流することで、異文化に対する理解を深め、また授業や友達との会話で使われる英語やその他の言語を使ったコミュニケーション能力を向上させることができます。

多様なカリキュラムがある

インターナショナルスクールでは、多様なカリキュラムが用意されています。米国のAP(Advanced Placement)コースや英国のIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)など、様々な国際的なカリキュラムを学ぶことができるため、将来的に留学や国際的な職場で活躍するための知識やスキルが身に付きます。

レベルの高い教育

シンガポールのインターナショナルスクールは教育水準が高い事で有名で、優秀な教師たちも多く在籍しています。生徒一人ひとりに合った、また個々の能力を最大限に引き出すようことを目的とした授業が受けられるのもインター校の魅力です。また、授業以外にも様々なクラブ活動や課外活動があり、子どもの興味や才能に合わせて学ぶことができます。

インター(インターナショナルスクール)に行った場合に考えられるデメリットと対策

学費が高額

インターの学費は一般的に高額です。日本の私立学校よりも高くなるケースもあり、幼稚園、小学校から大学までの教育費を考えると日本人学校、ローカル校よりもずっと多くの予算を見ていかなければならないでしょう。

駐在員の場合は会社からの一定の補助もあり、またインター校からは海外の大学にも目指しやすくなりますが、海外の大学には返還不要の給付型奨学金も多くあります。奨学金制度や学生ローンは日本よりも充実していることが多いので、色々な選択肢が考えられるのではないでしょうか。

国語力の低下

インター校に通うと授業も友達との会話も英語になってしまうので、年齢相応の国語力が伸びなくなってしまうことが考えられます。家庭内では日本語を使ったとしても、日本での高等教育やビジネスに必要とされる高度な読み書き、理解力をつけることはなかなか大変になってしまうかもしれません。

シンガポールには日本語の補習校や学習塾が充実していますので、お子さんの負担にならない範囲でそのようなフォローアップのサービスを使うことも可能です。日本人の子どもたちのための習い事もたくさんありますから、日本人のお友達ができると日本語力も自然と伸びるかもしれませんね。

・習い事で日本人のお友達と交流することもできますよ!Baton Twirling Club Singaporeは身体を動かしてリズム感や集中力、表現力を養います。

日本の中学・高校受験は難しくなる?

一度インターに行ってしまうと、日本の教育システムには戻れないのでは?と心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。インター校は日本のカリキュラムとは違うので、習う内容や科目が大きく異なります。そのため帰国後に日本の学校に行こうと思った時に受験に対応できないのでは?という心配がありますね。

日本の学校には帰国子女枠(海外在住期間に規定あり)を設けている中学・高校がたくさんあります。また、国際バカロレア(IB)を取得していれば日本のIB認定校はもちろん、世界各国の学校への編入も可能となるため国際的な人材を育てるための資格として昨今日本でも注目されています。

シンガポールでもIB認定のインターナショナルスクールや、IB取得のための学習塾が充実していますよ。

親の英語力

インターナショナルスクールに子どもを通わせると、学校とのやり取りや勉強のサポートで必然的に親も英語が必要となってきます。

シンガポールでは英語のチューター(家庭教師)や語学学校など、日本人の対応にも慣れた英語教育のサービスがたくさんあります。日本の学校にはないカリキュラムが魅力のインター校ですから、親子一緒に新しい冒険をしてみるのも楽しいかもしれませんね。

・日本でもおなじみのベルリッツランゲージセンターがオーチャードにあります。

まとめ

いかがでしたか?シンガポールは世界でも有数の教育環境が整っている国です。多様な学校があり、それぞれにメリットやデメリットがあって迷ってしまいそうですが、子供たちの個性や将来の夢に合った学校選びが大切ですね。まずは、希望する教育内容や環境を明確にしてからそれぞれを比較して慎重に検討することが必要ではないでしょうか。また、学校見学やオープンハウスなどを利用して、実際に雰囲気を感じてから決定することもできます。マンゴスティン倶楽部は子供たちが自信を持って楽しく学び、将来に向けた夢や目標が持てる学校選びを応援しています。

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