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2021月7月26日(月)

お土産専門店の商品開発の裏側

オーチャードのマンダリンギャラリーという「シンガポールの銀座」ともいえる場所にあり、在星日本人に長らく愛されているシンガポールのお土産とアジア雑貨店「メリッサ雑貨」。

一時帰国の際のお土産として、マーライオングッズやプラナカン雑貨をこちらのお店で購入した人も多いのではないでしょうか。

今回は、メリッサ雑貨のオーナーである牧野さんご夫妻に、お店を始めた経緯や商品・サービスへのこだわりについてお話をうかがいました。


 

バリの工芸品に魅せられてシンガポールで雑貨店をオープン

マンゴ編集部
「シンガポール土産を買うならここ!」というくらい、在星日本人の誰もが知るお店として有名ですが、なぜシンガポールでお土産専門店を始めようと思われたのでしょうか? お店をオープンするに至った経緯を教えていただけますか?

牧野(夫)
もともとは1996年に駐在員としてシンガポールに来ました。当時、僕と妻はトヨタ系自動車部品メーカーに勤めていて、妻が休職して一緒に来たんです。5年間の任期の予定だったのですが、なんと2回も延びまして。さすがに3回目の延期はないだろうということで、帰任前に記念でバリへ旅行に行こうということになりました。

牧野(妻)
バリに行ったときに「アタ」(インドネシアに自生する植物)で編んだバッグやインテリアを見て、夢中になってしまったんです。ちょうどアジア雑貨がブームのころだったんですよね。独特の模様が素敵な「バティック」(ろうけつ染めの布)のことも自分で調べて知りました。当時、シンガポールではエプロンが全然売られていなかったので、バティックを使ってカフェエプロンを作ってみることにしたんです。バティックの布を使ったオリジナルの商品を作って販売してみたらおもしろそうだな、というところから始まりましたね。

マンゴ編集部
販売はどこで始められたんですか?

牧野(夫)
2004年に、伊勢丹横のShaw Centerに最初のお店をオープンしました。Shaw Center が改装することになって、今のマンダリンギャラリーに移転したのが2009年。今年で開店17周年になります。

シンガポール雑貨、商品開発の裏側

マンゴ編集部
開店以来ずっと人気をキープしていらっしゃいますが、人気の秘密は何だと思いますか?

牧野(夫)
独自の商品ラインナップでしょうか。うちの商品は8割がオリジナル商品です。お菓子からバティック・プラナカンのもの、マーライオングッズ、最近でいうと服やTシャツに至るまで、さまざまなジャンルのものを取り揃えています。妻が主婦目線で「楽しい・ほしい」と思う実用的なもの、デザイン性の高いものを作っている点、それからシンガポールの伝統的なものを違うアプローチで商品化している点も支持いただいているのかなと思います。あとはラッピング、メッセージカードをつけたり、お土産を配るときの袋をつけるサービスなど、日本人ならではの「かゆいところに手が届く」気配りも評価いただいているように思います。

マンゴ編集部
商品開発は毎月どのくらいされているんですか?

牧野(夫)
コロナ前は月3件を目標にしていました。つまり、毎年36件以上。今はそのペースでの開発は厳しいですね。開発自体、なかなかできなくなっているので。

マンゴ編集部
いろんなものが少しずつ入った美容セットなど、日本人の心をつかむ良い商品を置いていらっしゃいますよね。あちらも奥様が考えられたんですか? 

牧野(妻)
はい。自分がもらってうれしいものを基本に商品を考えています。あとはお客様の「こういうものはないんですか?」という声をヒントに考えてみたり。

牧野(夫)
僕たち2人ともこだわりが強いので、すでにある商品を右から左に流すだけっていうのがとにかくできないんですよ。イヤなんです。そのほうが楽なんですけどね。

マンゴ編集部
それだけこだわって商品開発されているから、お店に来るたびに楽しめるんですね。そのこだわりがお客様に伝わるからこそ、これだけ長い間人気なんだと思います。

牧野(夫)
「価格が高いね」と言われることも多いんですけど、開発費用もかかりますし、中国に発注すると1回で5,000個とか1万個作ることになります。それだけの数を在庫として抱えるのは、実はものすごくリスクが高いんです。

お土産専門店になるきっかけは「マーライオンの木彫り」


マンゴ編集部

今まで作った商品の中で思い出深いものってありますか?

牧野(夫)
転機になったのはマーライオンの木彫りですね。最初に作ったサンプルが、ムチャクチャブサイクだったんですよ(笑)。「これは売れないぞ!」と、そのまま放っておいたんです。そしたら、たまたま半年くらい経って、そのマーライオンと目が合って。まぁ、ダメもとで売ってみるかということで販売したら、バーン! と火がついた。そこから、お店にシンガポール土産のテイストが入ってきた感じですね。

マンゴ編集部
私、このマーライオン結構好きですよ。日本に帰るときに買おうかなと思っています。

牧野(妻)
本当ですか? かわいくないから売るのやめてって言ってたんですよ(笑)。

チーム全体で作り上げたシンガポールの「すごろくゲーム」

マンゴ編集部
ほかにもそういう思い出深い商品ってありますか?

牧野(夫)
チーム全体で作り上げたものといえば、すごろくゲームですね。日本語版と英語版があります。完成するまでに1年近くかかりましたね。

マンゴ編集部
どこに一番時間がかかりましたか?

牧野(夫)
ゲームなので、おもしろくするために罰ゲームの要素を入れたり、クイズを入れたり。何度もスタッフで試して、実験して。そこに一番時間がかかりましたね。木彫りのコマ、ダイス、カード、マット、箱など、作るものも多かったので大変でした。

牧野(妻)
すごろくのマットも、紙だと折り目の部分がすぐに切れちゃう。それで紙ではなく布にしたんですが、そうすると今度は色がちゃんと出ないんですよ。何度も何度もやり直しました。

マンゴ編集部
すごろくを発案したきっかけはあるんですか?

牧野(夫)
お子さんとファミリーで楽しめるものを作りたかったんです。そうすると、ゲームかなって。

牧野(妻)
ご帰国される方に何かを差し上げる機会って多いですよね。日本に帰ってからも、シンガポールを思い出しながら楽しんでいただけるかなっていうのも考えました。あそこ行ったよね、こんなことしたよねっていう家族の思い出、お友だちとの思い出を、このすごろくで遊びながら思い出していただければ。そういう思いを込めて作りましたね。

日本語接客はおもてなしのひとつ

マンゴ編集部
お店のスタッフの方って日本語でお話されますよね。

牧野(夫)
それも、おもてなしのひとつだと考えています。シンガポールに住んでいらっしゃる方は英語を話す機会が多いので、英語でも日本語でもどちらでもいいかもしれません。でも、観光客としていらしたお客様の立場に立つと、やっぱり日本語のほうが安心ですよね。実際、日本語が通じて安心っていう声も多いんです。それを聞くと、僕たちもうれしいですしね。

マンゴ編集部
日本語を話せる方を採用していらっしゃるんですか?

牧野(夫)
そうです。でも、語学だけでは十分とはいえません。採用には年中苦労しています。スピードとか、気づきとか、優しさとか求めてしまうと、どうしても難しい。スタッフには、朝お店に来たら「おはよう」、間違ったら「ごめんなさい」、何かをしてもらったら「ありがとう」。こういった基礎から教えます。そのうえで、ビジネス的にレベルアップできるように、いろいろ教えていきます。たとえば、僕がお店に来たとき、パッと見て「これはおかしい」と気づくことに、店に何時間もいるスタッフが気づかない。「それって仕事をしていないってことだよね」と指摘したりするのですが、今の時代厳しすぎるのかもしれないですね。

マンゴ編集部
私もローカルで働いていたことがあるんですけど、考え方のベースが全然違いますよね。彼らが育ってきた環境とか、受けてきた教育の違いによるものだと思います。

牧野(夫)
たとえば、キャッシャーを2人組でやってもらうんですが、1人がお客様対応をしているときに、もう1人がぼーっと立っている。こういうのも絶対あり得ない。「次のステップを考えて準備をしなさい」と伝えているんですけど、難しいですね。最終的なゴールとしては、お客様にお店に来ていただいて、楽しんでいただく。僕たちのおもてなしとかサービスによって、お店自体を心地良い空間にできたらと思っています。

マンゴ編集部
コロナによって変わったことってありますか?

牧野(夫)
マーケットがシンガポールに限られて、お土産という定義が通用しなくなっています。そうなってくると、シンガポール人をメインのターゲットにせざるを得ない。メインターゲットが変わるということは、今まで作ってきた商品が通用しないということです。最近は日本から服やバッグを仕入れたり、日本にちなんだデザインのTシャツを作ったりしています。ちょうど先ほどサンプルが届いたんですが、今は柴犬をテーマにしたトートバッグを作っています。11種類くらい作って、メリッサメンバーにどれがいいか投票してもらったり。店自体を知っていただく機会がなかなかないので、一緒に楽しめる企画をもっといろいろできたらいいなと思っています。シンガポール人が柴犬が好きかどうかよくわからないですけど(笑)。柴犬、日本の神社、鳥居とか、パフェとか、日本ならではのものを組み合わせて、幅広くデザインをするようにしています。

マンゴ編集部
メリッサメンバーというのは?

牧野(夫)
ポイントサービス($20 ごとに$1相当をポイントで還元)の会員とメルマガ会員です。メルマガは、英語と日本語両方でやっています。

常に感謝と誠意を忘れない

牧野(夫)
店にはパイナップルケーキなどのお土産用お菓子も商品として置いているんですが、実は採算を考えるとお菓子は置かないほうがいいんです。でも、ご帰国の際に、いつ作られたかわからないものではなくて、きちんとしたものを持って帰っていただきたいという思いがあって続けています。一週間に1回は試食をするんですが、ちょっとでも素材に変化があった場合は、たとえ賞味期限まで日にちがあったとしても、お店に並べません。去年のサーキットブレーカーのときは800箱くらい捨てました。

牧野(妻)
やっぱり、お客様を裏切ることは絶対にできませんね。お店を続けていくうえで大切にしているのは、感謝を忘れないこと。それから一人一人のお客様に誠意を持って接すること。これは絶対に忘れてはいけないと思っています。

牧野(夫)
検品するとき、ほんのちょっとした不具合でもスタッフが全部「これはダメ」ってはねちゃうんですよ。下手したら、商品として並べられるものが半分くらいになってしまう。やりすぎだよっていうくらい(笑)。そういうこだわりを知っていただけるとうれしいですね。ただ単に価格だけで判断されてしまうと厳しいかもしれないんですけど。

牧野(妻)
数ある店の中から選んでお越しいただいたってことに感謝ですし、また来てくださるっていうのは……もう感動ですね。また来たいなって思ってもらえる店作りを心がけていますね。

マンゴ編集部
商品作りにも、お客様にも、とても誠実に向き合っていらっしゃるのが伝わってきました。ぜひ読者の皆様にも、お店に足を運んでいただきたいですね。

牧野(夫)
そうですね。そして、Facebookやインスタ、メルマガなどで、ぜひ一緒にお店を盛り上げていただけたらうれしいです。


 

真心を込めて商品を作り、おもてなしの心でお客様と接している「メリッサ雑貨」。
どんな思いでお店を経営されているかを知ると、お店のことが好きになるし、応援したくなりますよね。

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そして、なんと今回、の記事を読んでくださった読者の方、先着100名様に記事内でご紹介した「マーライオンの木彫り」($4)をプレゼントしてくださるそうです!

ご来店の際、スタッフの方に「ブランドストーリーを読んだ」とお伝えください。
ただし、お一人様1回1個限りです。

この機会に、お店に足を運んでみてはいかがでしょうか?

マンゴ編集部
誌面制作でのこぼれ話や、誌面未公開情報、編集部が独自に入手したお得情報などを更新します!皆さんのシンガポール生活の心強い味方であり、毎日のささやかな楽しみになることを願って。Thank you lah~!!
この記事を書いた人
【Brand Story】牧野夫妻(メリッサ雑貨オーナー)
電話番号
6333-8355
アクセス
333A Orchard Rd. Mandarin Gallery #04-29/30,(S)238897
営業時間
11:00-19:00
定休日
公式サイト
https://www.melissazakka.com/